この研究は、母親の住宅の送電線近接度と出生児への影響との関連を調べた。モントリオール及びケベック州の大都市圏における1990年から2004年までの出生登録簿から、生きて産まれた単胎出産(N=707215)を抽出した。送電近接度は、≧400 mを参照群として、50 m未満、50-75m未満、75-100m未満、100-150m未満、150-400m未満にカテゴライズした。送電線近接度と早産(PTB)、低出生体重(LBW)、子宮内発育遅延児(SGA)および性別との関連を、母親の年齢、教育、婚姻状況、民族性、経産回数、出生年代、近隣の平均世帯収入を考慮に入れて、一般化推定方程式により評価した。その結果、送電線近接度とPTB、LBW、乳児の性別との関連は見られなかった;いくつかの距離カテゴリーにおいてSGA児が少なくなる傾向が見られた(例えば、参照群に比較した50-75未満群の調整済みOR は0.88、95% 信頼区間は0.81-0.95)、などを報告している。
送電線への住居の近接度と悪い出産結果との関連をカナダにおいて調査した。
グループ | 説明 |
---|---|
集団 1 | 住居から電力線までの距離: < 50 m |
集団 2 | 住居から電力線までの距離: 50 - 74.9 m |
集団 3 | 住居から電力線までの距離: 75 - 99.9 m |
集団 4 | 住居から電力線までの距離: 100 -149.9 m |
集団 5 | 住居から電力線までの距離: 150 - 399.9 m |
参照集団 6 | 住居から電力線までの距離: ≥ 400 m |
タイプ | 値 |
---|---|
合計 | 707,215 |
母親の17%が送電線から400m以内、1.5%が50m以内に住んでいた。送電線への住居の近接度と悪い出産結果、早産、低出生体重、胎内発育遅延、幼児の性比のリスク上昇は認められなかった。著者らは、送電線への住居の近接度は悪い出産結果と関連していない、と結論付けた。
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