この研究は、超低周波(ELF)電磁界への母親の累積ばく露と、中程度早産および胎児発育遅延のリスクとの関連を、Elfe研究[Etude Longitudinale Française depuis l’Enfance:フランスの子どもの縦断研究]のコホートで調べた。Elfeコホートは、2011年にフランスで妊娠33週以上で産まれた新生児18329人を含み、20歳まで追跡するようデザインされた。妊娠期間および出産時の人体計測データを収集し、胎児発育遅延はフランスに特化した成長基準に従って定義した。問診の際、母親に妊娠中の就労について報告を求めた。雇用されていた場合、国際標準職業分類(1988)に従って職種をコード化し、就労終了日を記録した。妊娠中に就労していた妊婦としていなかった妊婦の両方について、最近更新された職業‐ばく露マトリクス(JEM)を用いてELF電磁界への累積ばく露を評価した。累積ばく露はカテゴリー変数(< 17.5、17.5-23.8、23.8-36.2、36.2-61.6、≥ 61.6 μT-日)、二値変数(< 44.1、≥ 44.1 μT-日)、連続変数として考慮した。母親の生活様式の要因、社会人口学的特徴、また一部の母親については妊娠前の病歴で調整したロジスティック回帰により、関連を分析した。分析は単生児に限定した(n = 16733)。96.0%の母親について累積ばく露が得られた。そのうち37.5%が23.8-36.2 μT-日のカテゴリーに分類されたが、高ばく露は稀で、≥ 61.6 μT-日のカテゴリーは1.3%、≥ 44.1 μT-日のカテゴリーは5.5%であった。母親の累積ばく露と、中程度早産および胎児発育遅延との有意な関連は認められなかった。この大規模な人口集団ベースの研究では、ELF電磁界への妊娠中の母親のばく露が中程度早産または胎児発育遅延と強く関連しているということは示唆されなかった、と著者らは結論付けている。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | cumulative exposure: < 17.5 µT-days |
集団 2 | cumulative exposure: 17.5 - 23.8 µT-days |
集団 3 | cumulative exposure: 23.8 - 36.2 µT-days |
集団 4 | cumulative exposure: 36.2 - 61.6 µT-days |
集団 5 | cumulative exposure: ≥ 61.6 µT-days (90th percentile) |
参照集団 6 | cumulative exposure: < 44.1 µT-days |
集団 7 | cumulative exposure: ≥ 44.1 µT-days |
タイプ | 値 |
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参加者 | 16,733 |
評価可能 | 16,717 |
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