この研究は、ヒト白血病細胞株K562のさまざまな細胞パラメータ(増殖、細胞周期分布、スーパーオキシドラジカルアニオン、およびHSP70タンパク質のレベル)に対する低周波磁界(MF)ばく露(50Hz正弦波; 1時間; 0.025 - 0.10 mT; MF界の方向が垂直または水平)の影響を調べた。陽性対照(熱処理(42℃、1時間))およびMF擬似ばく露対照を用いた。その結果、熱処理群では、細胞増殖またはスーパーオキシドラジカルアニオン生成のいずれにも影響が見られなかったが、G2期の細胞の蓄積が生じ、ストレスタンパク質HSP70が増加した;MFばく露(0.10 mT、1時間)群では、細胞周期の動態にも増殖にも影響は見られなかった;垂直および水平方向の両方のMFばく露(ばく露時間は1時間、いくつかの磁束密度)では、擬似対照群および熱処理の陽性対照群に比べ、HSP70レベルが有意に、かつ一時的に上昇した(> 2倍);この他にもいくつかの知見があり、全体的には、K562細胞におけるELF MFへの初期の反応は、酸素ラジカルの量の増加であり、それがHSP70の誘導につながるように見えた、と報告している。
様々な磁束密度の50Hz正弦波磁界(垂直または水平)が、ヒト細胞株K562において細胞増殖及び細胞周期動態に影響を及ぼし得るかどうか、ならびに、Hsp70タンパク質及びスーパーオキシドラジカルアニオンのレベル変化の形のストレス応答が磁界ばく露の結果かどうかを調べること。
cells were treated with i) exposure to magnetic fields ii) sham exposure iii) heat of 42°C
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 1 h |
Additional information | vertical or horizontal field |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | two pairs of Helmholtz coils, one horizontal, one vertical, with a diameter of 40 cm and 42 cm respectively and in each coil 3 separate windings with 30 turns each; coil system placed in an incubator |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
データは、磁界ばく露(0.1mT(他の磁束密度のデータは示されていない))は細胞周期動態または細胞増殖に影響しないことを示した。
垂直及び水平の磁界ばく露は共に、複数の磁束密度で、偽ばく露及び熱処理と比較して有意な、一過性の高いHsp70レベル(>2倍)を生じた。最も強い影響は、0.025mTへの垂直ばく露後に見られた。ばく露の直後に2倍増が観察され、ばく露の24時間後まで継続したが、24時間の時点でレベルはベースラインに戻りつつあった。最も高いばく露(0.1mT)は、Hsp70発現の誘導が最も弱かった。
磁界ばく露は、陽性対照PMAと比較して、調査した全ての磁束密度で、スーパーオキシドラジカルアニオンのレベル上昇(30-40%)も生じた。
結論として、K562細胞における超低周波磁界への初期応答は、Hsp70の誘導につながる酸素ラジカルの量を増加させるようである。更に、この知見は、50Hz磁界がK562細胞に影響を生じる磁束密度の閾値が0.025mTかそれ以下にあることを示唆している。加えて、アクティブなパラメータは誘導電界ではなく磁界である(Hsp誘導は垂直と水平のどちらの磁界ばく露の際にも生じるため)。
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