この研究は、ヒトの細胞において、超低周波電磁界(ELF-EMF)の単独ばく露、あるいは熱ストレス(HS: 43℃、30分間)との組み合わせばく露に反応して、熱ショック(HS)遺伝子の発現が生じるか否かを調べた。ヒト骨髄性白血病(HL-60)細胞に30分間、各ストレッサーへのばく露を与えた後、HS遺伝子HSP27、HSP60、HSP70(A、B、C)、HSC70、HSP75、HSP78、およびHSP90(α、β)の発現をRT-PCRにより定量した。その結果、HS遺伝子、特に3つのHSP70遺伝子(A、B、C)がELF-EMFによって誘導された;この反応は、HS(43℃、30分間)の同時ばく露によって増強された;以前の実験では、トランスジェニック線虫を用い、同様のストレス条件下でのHSP70遺伝子の誘導を調べたが、この場合の結果と今回の結果には、類似点といくつかの有意差が見られた;また、磁束密度(10 - 140 mTの範囲で実験した)の影響に関しては、最低レベルである10 mTにおいても、HSP70A、HSP70B、およびHSP70C遺伝子の有意な誘導が生じた;ELF-EMFへの反応は、60 - 80 mTで最大となり、HS反応を誘発する他のストレッサーとは異なる量反応関係を示した、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 30 min
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 30 min |
ばく露の発生源/構造 |
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チャンバの詳細 | Plastic chamber maintained at 37°C and/or 43°C. |
ばく露装置の詳細 | The chamber containing the samples was placed in the center of the coils. |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 10 µT | minimum | 備考を参照のこと。 | - | 20 µT, 40 µT, 60 µT, 80 µT, 100 µT and 140 µT +/- 0.4 µT. |
本研究の結果は、超低周波電磁界は熱ショックタンパク質(特にHSP70A、B及びC)をエンコードしている遺伝子の発現を生じ得ることを示している。この応答は同時に与えた熱的ストレス(43℃で30分間)によって増強される。これらの影響は、調査した全ての磁束密度(最大で60-80µT)で認められた。
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