この研究は、増殖中のHL-60、HL-60R、およびRaji細胞株に、0.15 mTの60 Hz 正弦波磁界を、様々なばく露時間で与え、熱誘導性アポトーシスに対する細胞の防御作用を評価した。アポトーシスの誘導は、中性コメットアッセイにより分析した。防御作用の持続時間は、細胞をEMF下で24時間増殖させ、その後、熱ショックが生じる前にEMFを除去して24〜48時間おいた後に、中性コメットアッセイを実施して調べた。その結果、12時間のEMFばく露で、有意なアポトーシス防御が生じた(HL-60およびHL-60RについてはP < .0001、Raji細胞についてはP < .005);この防御作用はEMF除去後、最大48時間持続した、と報告している。また、別の実験として、DNA修復率に対するEMFの影響を調べた。上記と同じ細胞株を用い、同様の磁界ばく露を24時間与えた細胞と無ばく露細胞にH2O2による損傷を与え、0または15 分後にアルカリコメットアッセイを実施した。その結果、15分の修復時間中のDNA修復率は、HL-60およびHL-60R細胞株では EMFばく露群で有意に低下し、Raji細胞株では低下しなかった、と報告している。
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | 4, 12 and 24 h |
ばく露された細胞と偽ばく露細胞で、細胞増殖に有意差は認められなかった。
ばく露は3つの細胞株全てにおいて、熱誘発性のアポトーシスからの時間依存性の防御を生じた。
ばく露されたHL-60及びLH-60R細胞株のDNA修復率は有意に低下した。ばく露されたRaji細胞と偽ばく露細胞ではDNA修復に有意差は認められなかった。
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