μTからmTまでの帯域の流速密度をもつ磁界は、様々な細胞内で、熱ショック因子HSP72mRNA、いわゆる熱ショックタンパク質を生じさせることができるという報告がされてきた。本研究において、我々は、流速密度2μTから4mT、周波数50Hzの電磁界を15分~30分ばく露した後、3つの細胞株(HL-60、H9c2、ジラルディ心臓細胞)の中のHSP72mRNA転写レベルにおける変化と、2つの細胞株(HL-60、ジラルディ心臓細胞)の中の細胞内HSP72タンパク質含有量における変化を調査した。この処理あるいはモダリティはHSP72タンパク質レベルに対して如何なる重要な効果も示さなかったが、HSP72mRNAは検査されたすべての細胞株におけるパラメーターの組合せの一つと共に、少なくともある程度は誘発された。明らかに、HSP72mRNAの転写と転換は、ある種の細胞において必ずしも連結されていない。このことは、増加したmRNAレベルが増加したHSP72タンパク質レベルと関連がない場合、HSP72mRNAレベルに対する電磁界の影響は、DNAの下流への影響は表れないという結論へ導く。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | 15 - 30 min |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | pair of Helmholtz-coils with a diameter of 140 mm, 70 mm apart; each coil with 112 turns of 0.5 mm copper wire; petri dishes placed in the center of the coils, shielded with a 2 mm thick sheet of styro foam; homogenous vertical magnetic field (< 5 %) within a cylindrical volume with a diameter of 30 mm and a height of 40 mm determined from the center of the coils |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
データは、これらの細胞株ではミリテスラ範囲の15分間の磁界ばく露後にHSP72のmRNAが増加し、非常に似通った動態が見られることを示した。
これら3つの細胞株の全てで対応するmRNAが影響されたという事実があるにもかかわらず、タンパク質レベルでは、磁界ばく露後のHSP72タンパク質産出の増加の証拠はなかった。HL-60細胞のみで、1-2時間後のHSP72のレベル上昇の僅かな傾向があった。
これらの結果は、HSP72遺伝子の転写の活性化はタンパク質合成に依存しないことを示している。先行研究には、タンパク質ベースでさえも電磁界ばく露によるHSP70の誘導性を示したものもあれば、示さなかったものもあるので、Hsp70の誘導プロセスでも同様の役割を担っているかも知れない他の要因を更に調査する必要がありそうである。
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