この研究は、胎児の着床前後の期間のブタから採取した子宮筋層のステロイド産生活性に対する、非電離の電磁放射の影響を調べた。子宮筋スライスを電磁界(50 Hzおよび120 Hz、2および4時間インキュベート)で処理し、アロマターゼチトクロームP450 17α-ヒドロキシラーゼ/C17-20リアーゼ(CYP17A1)および3β-ヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ/Δ5-Δ4イソメラーゼ(HSD3B1)mRNA転写産物の量、チトクロームP450c17および3βHSDタンパク質の量、ならびにアンドロステンジオン(A4)およびテストステロン(T)の分泌について調べた。電磁界からの防護剤としてのプロゲステロン(P4)の機能を調べるため、一部のスライスをP4で処理した。P4なしでインキュベートしたスライスでは、50 Hzの電磁界はチトクロームP450c17タンパク質の量(4時間)、HSD3B1 mRNA転写産物の量(4時間)、A4放出(2時間)を変化させ、P4で処理したスライスではT放出(2時間)を変化させた。120 Hzの電磁界は、P4処理なしのスライスではA4放出(2時間および4時間)を変化させたが、P4処理ありのスライスではCYP17A1 mRNA転写産物の量(4時間)、3βHSDタンパク質の量(4時間)、A4放出(4時間)およびT放出(2時間)を変化させた、と著者らは報告している。