この研究は、マウスの着床前段階の子宮内膜および卵管における生殖能力および上皮細胞の高さに対する超低周波電磁界(ELF-EMF)の影響を調べた。80匹の雌NMRIマウスを無作為に2群に分けた。対照群にはEMFばく露を与えず、ばく露群は、50 Hz、0.5 mTのEMFばく露を、1日4時間、週6日で2週間受けた。両群のマウスを過剰排卵させ、雄のマウスと一晩交配させた。膣栓により妊娠が推定されたマウスにおいて着床時に子宮角をフラッシュすることにより胚盤胞が得られた。また、子宮角と卵管の試料を光学顕微鏡法で検査した。その結果:EMFばく露群でのフラッシュされた胚盤胞の平均数は、対照群に比べ有意に減少した;光学顕微鏡検査では、卵管上皮細胞の高さが、対照群に比べ、EMFばく露群で有意に増加した;しかし、EMFばく露群の子宮内膜上皮細胞の高さは、対照群に比べ、わずかな増加を示したが有意ではなかった;以上の知見は、ELF-EMFが雌マウスの生殖器系に悪影響を与えることを示唆する、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 4 hr/day, 6 days/week for 2 weeks
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 4 hr/day, 6 days/week for 2 weeks |
ばく露の発生源/構造 |
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測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 0.5 mT | - | - | - | - |
ばく露群における洗浄した胚盤胞の平均的な個数の分析では、対照群と比較して有意な減少が見られた。ばく露群の卵管の上皮細胞の高さは、対照群よりも有意に増加した。但し、ばく露群の子宮内膜の上皮細胞の高さには、対照群と比較して有意ではない増加が見られた。
著者らは、超低周波電磁界ばく露にはマウスの雌の生殖系に対し、胚盤胞の数の減少と卵管の上皮細胞の高さの増加によって悪影響を及ぼす、と結論付けている。
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