この研究は、プロテオミクス手法を用いて、ヒト神経膠腫細胞株SF767におけるMFばく露の生化学的影響を調べた。SF767細胞に、60 Hz、1.2 µTのMFばく露および擬似ばく露(< 0.2 µTの環境レベル)を、上皮成長因子(EGF)添加および無添加の条件下で3時間与えた。可溶化したタンパク質分画を2D-PAGEによる電気泳動にかけ、コロイド状クーマシーブルー法で染色してタンパク質の分離、特徴付けを行なった。スチューデントのt検定により、タンパク質パターンをグループ間(擬似ばく露群、磁界ばく露群、擬似+EGF群、磁界+EGF群)で比較した。その結果、細胞プロファイルは、処理された細胞のサブセットのスポット密度に有意な変化が見られた;関心のあるタンパク質をペプチドマスフィンガープリンティングする前に、自動化により、発現量に差異が見られたスポットを切り出して処理を行うと、検出可能なプールから57個のタンパク質が同定され、これらの一部は4つのグループ間で有意に異なることが示された;同定された10個のタンパク質の平均存在量は、1.2 µTのばく露により変化した;EGFの存在下では、磁界ばく露により6つのタンパク質の存在量が変化した(4つは増加、2つは減少)、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
60 Hz
ばく露時間:
3 h continuous
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cells were treated in four groups: i) sham ii) exposure to 1.2 µT iii) sham + EGF (10 mg/ml) iv) exposure to 1.2 µT + EGF
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | 3 h continuous |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | two concentric Helmholtz coils systems with the inner coil for exposure and the outer coil to limit stray fields |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1.2 µT | - | 測定値 | - | - |
同定した10個のタンパク質の平均存在率は、磁界ばく露後に変化した(3個のタンパク質では増加、7個のタンパク質では減少)。
上皮成長因子との共ばく露は、2個のタンパク質の発現を増加させ、4個のタンパク質の発現を減少させた。
結果は、ヒト神経芽細胞(SF767)における発現が異なるタンパク質の分析は、磁界ばく露による生物学的変化のマーカーとして利用できるかも知れないことを示している。
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