【背景】 電磁界ばく露によってアルツハイマー病や運動ニューロン疾患の危険性が高まるという報告が数多くなされている。【方法】先の英国中央発電局(CEGB)の従業員 83997人をコホートとして、1973-2004 年の期間における彼らの死について調査を行った。どの従業員も、1973-82 年の間に少なくとも6ヶ月以上なんらかの勤務に就いた。1971-93 年の期間については、79972人の勤務歴が研究材料として電算機処理のできる状態であった。職務と施設(位置)についての情報が磁界ばく露度を見積もるために用いられた。2つの分析的アプローチを用いることで、危険性と、間接的標準化(n=83997)およびポアソン回帰(n=79972)が計算された。 【結果】 イングランド及びウェールズの一連の死亡率に基づけば、アルツハイマー病および運動ニューロン疾患による死亡数は例外的なものではなかった。統計学的には五分五分であったパーキンソン病による死亡数については過剰が見られた。磁界へのばく露度は人生の時間とともに積算されていくが、それにともなう、これらの疾患の危険性への統計的に顕著な傾きは見られなかった( 10 μT-y あたりの RR: アルツハイマー病 1.10 《95% Cl は、0.90 から 1.33》、運動ニューロン疾患 1.06 《95% Cl は、0.86 から 1.32》、パーキンソン病 0.88 《95% Cl は、0.74 から 1.05》)。 【結論】 イギリスにおける発電・変電事業従業員が磁界ばく露により神経変性疾患に罹る危険性が、他と比べてより大きなものであったと納得させる証拠は見つからない。
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