この研究は、電気アーク溶接作業者での超低周波磁界(ELF-MF)への職業的ばく露による遺伝毒性リスクを細胞遺伝学的モニタリングにより調べた。個人用磁界測定器を用いて、溶接作業者群(n =21:中央イタリアの2つの溶接会社からの参加者)の個々人の職業的ELF-MFばく露を評価した。また、溶接作業者群の抹消血リンパ球における小核(MN)および姉妹染色分体交換(SCE)の頻度を、非ばく露対照群(n = 21:血液提供者群)のものと比較した。非ばく露対照群は、溶接作業者群と年齢および喫煙習慣をマッチさせて選出された。その結果、作業者のばく露レベルは0.03 µT(最小)から345.06 µT(最大)の範囲であり、平均は7.81 µTであった;SCEとMNの分析に関して、両群間にいくつかの差異が観察されたが、細胞複製に関する指標(増殖率及び細胞質分裂ブロック増殖指数)には両群間で差がなかった;特に、ばく露群では、対照群に比べ、MN頻度が有意に高く、さらに、MN頻度増加にはELF-MFばく露レベルとの量反応関係が見られた;一方、ばく露群では、対照群に比べ、SCE頻度の有意な減少が見られた;以上の知見から、遺伝毒性試験とELF-MFばく露レベルとの相関関係の仮説は、特にMN試験に関して部分的に支持されが、小規模のパイロット研究から得られ知見であり、大規模な研究の実施が望ましい、と報告している。
電気アーク溶接中に50Hz磁界にかなり長期ばく露されるイタリアの金属加工会社の作業者21人において、末梢血リンパ球での小核姉妹染色分体交換を分析した。ばく露されなかった21人の血液ドナーを参照群とした。
Individual exposure assessment in 21 workers of two metal-working companies.
ばく露された作業者における小核形成頻度は対照群よりも有意に高かった。対照的に、このデータは、ばく露された被験者では対照群よりも姉妹染色分体交換の頻度が有意に低いことを示した。増殖率及び細胞質分裂ブロック増殖指数は両群で同等であった。
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