この研究は、ニワトリ受精卵のインキュベーション中に、パルス化された50または100Hzの磁界(パルス幅1秒、振幅10 µT、パルスとパルスの間0.5秒)ばく露を、45時間、15日間、21日間与え、胚の中枢神経系の発達への影響を調べた。その結果、50Hzまたは100Hz磁界の45時間ばく露群の胚では、その対照群に比べ、体節のペア数が有意に少なかった;15日間ばく露群の胚では、50 Hz磁界ばく露の場合のみ、対照群に比べ、胚の全重量が有意に大きかった;21日間ばく露群では、その対照群に比べ、100 Hz磁界ばく露の場合に、胚の全重量および発達段階の有意な低下が見られ、50 Hz磁界ばく露の場合には、発達段階の有意な低下のみが見られた;また21日間ばく露群では、神経マーカNSE(神経特異的エノラーゼ)のより高い発現およびグリコサミノグリカンの非常に低い発現を示した;以上の知見は、パルス磁界が、少なくとも本研究で分析された強度と周波数で、インビトロでの正常な胚発生を妨げ、正常な神経機能を変化させる可能性を示唆した、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | 1 s on - 0.5 s off - for 45 h, 15 days or 21 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | pair of Helmholtz coils with a radius of 70 cm, placed 70 cm apart; eggs in plastic trays positioned between the coils |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 10 µT | - | 測定値 | - | - |
50Hzまたは100Hzの電磁界ばく露の45時間目に抽出した胚は、同時期の対照群と比較して、体節対が有意に小さかった。インキュベーション15日目には、50Hz磁界にばく露した胚にのみ、対照群と比較して有意に高い体重が見られた。インキュベーション21日目には、100Hz磁界にばく露した胚に、対照群と比較して有意に低い体重が見られたが、50Hz磁界にばく露した胚には、発達段階の遅れのみが見られた。加えて、ばく露の21日後の視葉における神経マーカーのNSE(ニューロン特異的エノラーゼ)の発現の増加と、グリコサミノグリカンの発現の減少が見られた。
これらの知見は、少なくとも本研究で分析した強度と周波数のパルス磁界は、イン・ビボでの正常な胚発達を阻害し、正常な神経機能を変化させ得るかも知れないことを示唆している。
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