研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[50Hz正弦波電磁界ばく露後のニワトリ胚の形態学および骨格構造への催奇形性影響] med./bio.

Teratogenic effects on morphology and skeletal structure of chick embryos after exposure to 50 Hz sinusoidal electromagnetic fields

掲載誌: Iran J Sci Technol 2000; 24 (2): 173-182
Journal partially peer-reviewed/peer-review process unclear

この研究は、ニワトリ受精卵に50 Hzの超低周波電磁界の24時間ばく露を与え、ニワトリ胚の形態及び骨格構造への影響を調べた。また、そのような影響に、磁束密度量反応関係または窓効果があるか否かを調べるために、磁束密度条件は1.33 から7.32mTの間の15レベルで実験した。新鮮な受精卵301個を17群に割り当てた。すなわち、15レベルのばく露群(各群n = 9 - 16)、擬似ばく露群(n = 33)、無処置対照群(n = 48)である。24時間ばく露の終了後、ばく露群および擬似ばく露群の全ての卵を8日間インキュベートした(対照群は9日間インキュベートした)。その後、初期胚(孵化期間の約半分の時点、おおよそ10日目まで)を卵から摘出し、奇形の有無を観察した。その結果、全てのばく露群で、擬似ばく露群および対照群に比べ、奇形の比率増加が見られた;観察された奇形のタイプは、無脳症、外脳症、無眼球症、くちばしの交差、腹壁破裂、無尿、脊椎および肋骨の異常などであった;これらの影響は、磁束密度が2.76、4.14、5.32、6.9 mTのばく露群で有意であった;9日目の卵の重量には、対照群ばく露群の間に有意差はなかった;頭部から臀部までの長さ、くちばしから後頭部までの長さにも有意差はなかったが、例外として、2.76 mTばく露群で、くちばしから後頭部までの長さが有意に長かった;7.32 mTばく露群で、胚の重量が有意に低かった、と報告している。

研究目的(著者による)

本研究の狙いは、1) 24時間の超低周波電磁界ばく露(1.33-7.32mT)後のニワトリ胚の形態及び骨格構造に対する影響の程度を判定すること、及び2) インキュベーションの最初の24時間において、これらの生物学的影響に窓効果またはばく露量効果があるかどうかを調べること、であった。

詳細情報

新鮮な受精卵301個を17群に分けた:15のばく露群(1.33-7.32mT、n=9-16)、偽ばく露群(n=33)、対照群(n=48-55)。24時間のばく露後、ばく露及び偽ばく露した卵を8日間インキュベートした。対照の卵は9日間インキュベートした(この期間終了時、殻から胚を取り出して調査した)。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 24 hr
  • 磁束密度: 1.33 mT minimum
  • 磁束密度: 7.32 mT maximum (1.33, 1.38 , 1.46 , 2.66 , 2.76 , 2.93 , 3.39 , 4.14 , 4.39 , 5.32 , 5.52 , 5.86 , 6.65 , 6.90 , 7.32 mT)

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 24 hr
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 42 cm long cylindrical coil with an inner diameter of 9.6 cm and an outer diameter of 11.5 cm, consisting of 980 turns of 2.5 mm enameled copper wire, placed inside a temperature-controlled incubator
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 1.33 mT minimum 計算値 - -
磁束密度 7.32 mT maximum 計算値 - 1.33, 1.38 , 1.46 , 2.66 , 2.76 , 2.93 , 3.39 , 4.14 , 4.39 , 5.32 , 5.52 , 5.86 , 6.65 , 6.90 , 7.32 mT

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

15のばく露群の全てでは、偽ばく露群及び対照群と比較して、奇形の比率が高かった(例:無脳症、外脳症、無眼球症、くちばしの交差、腹壁破裂、無尿、余分なまたは異常な脊椎と肋骨)。これらの影響は、磁束密度が2.76、4.14、5.32、6.9mTのばく露群で有意であった。対照群ばく露群では、9日目の卵の重量には有意差は見られなかった;頭部から臀部までの長さ、及びくちばしから後頭部までの長さには有意差は見られなかったが、2.76mTではくちばしから後頭部までの長さが有意に長かった;7.32mTでの胚の重量の有意な減少も見られた。

このデータは、50Hz正弦波超低周波電磁界磁束密度1.33-7.32mT)は、24時間ばく露の際の不可逆的な発達の変化を生じ得ることを明らかにしている。この知見は、窓効果があることも確認している。

研究の種別:

研究助成

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