[直流磁界ばく露によるニワトリの胚の小脳の発達過程における組織学的変化] med./bio.

Histological changes during development of the cerebellum in the chick embryo exposed to a static magnetic field

掲載誌: Bioelectromagnetics 1997; 18 (1): 36-46

<目的>中枢神経系細胞遊走、細胞分化に与える直流磁界曝露の影響を、形態学的及び超微細形態学的に調べる。 <方法>Leghornの卵を温度37.5、湿度70%でふ化させた。12ヶの卵を直径110mmのシリンダーの中に静置した。卵の長軸がシリンダーと水平になるようにし、卵のとがった極が磁界の南極に位置するようにした。S1群は12ヶの卵をふ化6日目の1日間のみ20mTの直流磁界に曝露し13日目に検査した。S2群は同様の処理後、17日目に検査した。L1群はふ化初日より13日まで直流磁界に曝露し、L2群は17日目まで曝露し、その直後に検査した。C1群は直流磁界のない条件で13日間、C2群は17日間ふ化させ、検査した。組織学的検討はLarsell分類のfolium VIcによった。 <結果及び結論>1)S1群は、対照群に比し、外顆粒層の密度が低下していた。分子層は遊走してくる神経芽細胞成分の数が減少していた。内顆粒層は未成熟で、細胞成分が減少していた。 2)L1群はS1群よりも強い変化が出現した。内顆粒層の細胞密度の低下、分子層、プルキンエ細胞層、内顆粒層の境界形成不全等がみられた。 3)S2群は、外顆粒層では、細胞外スペースの拡大、分子層の幅の増加、プルキンエ細胞変性が認められた。 4)L2群は、外顆粒層で核変性する細胞の増加、分子層の幅が広くなり、プルキンエ細胞変性を認めた。

ばく露

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