著者:
Park S, Kim YJ, Kim MS, Kim HS, Kim MW, Kang YM, Lee SK, Choi KC, Kim N, Gimm YM, Kim YW
掲載誌: Bioelectromagnetics 2018; 39 (7): 539-546
先行研究では、連続的な60 Hz磁界へのマウスのばく露において、磁束密度とばく露時間が精巣の生殖細胞のアポトーシスの誘導と関連していることが報告されている。この研究は、60 Hz磁界への20週間の連続ばく露が、ラットの精子の運動性、形態、数、ならびに精巣の生殖細胞のアポトーシスに及ぼす影響を調べた。Sprague-Dawleyラットを、2、20、または200 μTの60 Hz磁界に24時間/日、20週間ばく露または疑似ばく露した。その結果、2及び20 μT磁界ばく露は精巣に影響しなかった。200 μTばく露は、生殖細胞におけるアポトーシスの増加を誘導し(P < 0.001)、精子数を減少させた(P < 0.05)。但し、磁界は身体または精巣の質量、精細管径、あるいは精子の運動性または携帯には有意に影響しなかった。200 μTの60 Hz磁界ばく露は精巣の生殖細胞、特に精原細胞のアポトーシスを増加させ、精子数を減少させ得る、と著者らは結論付けている。また、マウスでの先行研究と比較して、ラットはマウスよりも60 Hz磁界ばく露に敏感ではない、としている。