この研究は、出芽酵母Saccharomyces cerevisiaeを用いて、ゲノム全体の遺伝子発現に対する50 Hz磁界ばく露の影響を調べた。タンパク質の分析には、2次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動法(2D PAGE;約1,000スポット)、mRNAの分析には、cDNAマイクロアレイ法(約5,900遺伝子)を用いた。磁界ばく露には、10、150、または300 mTr.m.sの50 Hz垂直磁界を用い、細胞は24時間ばく露受けた。陽性対照には、好気性条件、熱(40 ℃)ばく露または最小培地条件のそれぞれで培養された細胞を用いた。陽性対照の2D PAGEおよびマイクロアレイ分析により、既知または未知のタンパク質およびmRNAを含む多くの遺伝子の高信頼性での差別的発現が示された。結果として、磁界ばく露の場合、熱ショック応答、DNA修復、呼吸、タンパク質合成、細胞周期に関連するタンパク質または遺伝子の発現に、高信頼性の変化は観察されなかった;主成分分析では、主成分に有意差はなかったが、実験した磁束密度間での有意ではない差が見られた;対照的に、陽性対照の主成分は有意に異なっていた、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
---|---|
ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuously for 24 h
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磁界ばく露は、熱ショック応答、DNA修復、呼吸、タンパク質合成、及び細胞周期に関連した、タンパク質または遺伝子の発現に有意な変化を生じなかった。
このデータは、磁界ばく露が真核細胞における翻訳及び転写の基礎的な機序を変化させるという証拠を提示するものではない。
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