本研究は、無線周波(RF)波によって精巣に生じた酸化ストレスと、これに対するビタミンCの保護効果を、坑酸化酵素活性(グルタミンペロキシダーゼ(GPx)、スーパーオキシドジスムターゼ(SOD)、カタラーゼ(CAT)、マロンジアルデヒド(MDA))を測定することで評価した動物実験である。32匹の成獣の雄のSprague-Dawleyラットを無作為に四群に分け、45日間にわたって以下の処理を行った:擬似ばく露群、擬似ばく露+ビタミンC群(L-アスコルビン酸を一日に体重1kgあたり200mg経管投与)、RFW群(900MHzのRFW波にばく露)、RFW+ビタミンC群。実験終了後、全ての動物を屠殺して精巣を摘出し、坑酸化酵素およびMDA活性を測定した。その結果、RFW群では、対照群(擬似ばく露群)と比較して、坑酸化酵素活性が減少し、MDAが増加した;RFW+ビタミンC群ではRFW群と比較して、坑酸化酵素活性が改善され、MDAが減少した、と報告している。
ラットを4群に分けた (各群n=8): 1) RFばく露群:電磁界ばく露と毎日の擬似投与 (経口、蒸留水), 2) RFばく露 + ビタミンC群:電磁界ばく露と毎日のビタミンC投与 (経口、200 mg/kg 体重), 3) ビタミンC群: RF擬似ばく露と毎日のビタミンC投与、 4) 擬似ばく露群: RF擬似ばく露と毎日の擬似投与。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
900 MHz
ばく露時間:
continuous for 4 h/day for 45 days
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周波数 | 900 MHz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 4 h/day for 45 days |
ばく露の発生源/構造 |
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Distance between exposed object and exposure source | 5 m |
チャンバの詳細 | cage |
ばく露装置の詳細 | 8 animals per cage |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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電力密度 | 0.6789 mW/cm² | - | 測定値 | - | - |
RFばく露群(第1グループ)では、他の群に比べ、スーパーオキシドジスムターゼ、グルタチオンペロキシダーゼおよびカタラーゼの酵素活性が有意に低下し、脂質過酸化が有意に増加した。
RFばく露+ビタミンC群(第2グループ)では、スーパーオキシドジスムターゼの酵素活性は他群に比べ有意に上昇し、脂質過酸化はRFばく露群に比べ有意に減少したが、擬似ばく露群(第3,4グループ)に比べると依然として有意に増加していた。第2グループの他の全てのパラメータは無ばく露群に比べ有意差がなかった。
ビタミンC群と擬似ばく露群(第3と第4グループ)の間に有意差は何も無かった。
著者は結論として、「ラットの900 MHz電磁界ばく露は、精巣に酸化ストレスを誘導する可能性があり、ビタミンCは抗酸化酵素活性を高める可能性がある」と述べている。
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