この研究は、Wister雄ラットのストレス関連指標に対する2.45 GHz マイクロ波(MWs;0.21 mW/cm2、SAR 0.14 W/kg)の影響、ならびにその影響に対するメラトニン(Mel)の効果を調べた。擬似ばく露群、Mel投与群、MWsばく露群、Mel+MWs群を各群6匹とした。Melは毎朝2 mg/kgを腹腔内投与、MWsは1日2時間、ホーンアンテナでの全身ばく露を行い、45日間継続した。ばく露終了後に精巣組織のLDH-X活性、キサンチンオキシダーゼ(XO)、活性酸素種(ROS)、カルボニル化タンパク、DNA損傷、MDAを測定した。その結果、メラトニンが酸化損傷を防ぐことが、精巣のLDH-X活性レベル上昇、MDAおよびROSレベルの減少で示された;また、精巣細胞のXO、カルボニル化タンパク、精子数、テストステロンレベル、DNA断片化に対するMWsの影響をメラトニンは回復する、と報告している。
ラットを4群に分けた (各群n=6): 1) 電磁界ばく露群、2) メラトニン投与群(毎日の腹腔内投与2 mg/kg 体重)、3) 電磁界ばく露+メラトニン投与群、4) 擬似ばく露群(毎日の擬似腹腔内投与)。
周波数 | 2.45 GHz |
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タイプ |
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特性 |
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ばく露時間 | continuous for 2 h/day for 45 days |
Modulation type | FM |
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Modulation frequency | 50 Hz |
擬似ばく露群に比べ、電磁界(EMF)ばく露群(第1グループ)では、体重、テストステロンレベル、乳酸脱水素酵素の酵素活性および精子数が有意に低下し、組織病理学的損傷も同様に見られた。EMFとメラトニンの同時ばく露群(第3グループ)ではこれらのばく露による影響は見られなかった。
擬似ばく露群に比べ、EMFばく露群(第1グループ)では、酸化ストレスの全パラメータ(活性酸素種、カルボニル化タンパク質、マロンジアルデヒドのレベルおよびキサンチンオキシダーゼの酵素活性)、それからDNA損傷およびアポトーシスが有意に増加した。また、EMFとメラトニンの同時ばく露群(第3グループ)では第1グループに比べ、これらのパラメータは有意に低下した。
食餌および水の摂取量には各群に何ら差は無かった。
著者らは結論として、「ラットの2.45 GHz電磁界へのばく露は、酸化ストレスを介して精巣を損傷する可能性があり、メラトニンはこれらの影響を防護する可能性がある」と述べている。
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