この研究は、広州、香港、マカオを結ぶ珠江デルタ地域(人口、電力設備の密集地域)を調査地域としてデザインされた2年間の前向きコホート研究で、居住環境での50Hz磁界ばく露と流産のリスクとの関連を調べた。2010-12年に、妊娠中(8週)あるいは1年以内に出産予定の女性552人を候補として選び、最終的に413人のコホートで、各人の住宅の玄関前および住宅前の路地で磁界測定(Narda社製EFA-300)を、妊娠中の数日に行った。対象者への2ヶ月毎のフォローアップの面談は、該当地区の人口・家族計画サービスステーションのスタッフが担当し、流産は医学的に診断された。その結果、全ての玄関前での磁界測定値の平均0.099μTに基づき、ばく露群と対照群のカットオフ点を0.1μTとした;玄関前の平均ばく露レベルに関連した流産リスクの上昇は見られなかった;路地でのばく露レベル最大値は流産リスクと有意に関連した(相対リスク推定値2.35;95%信頼区間 1.18-4.71)、などを報告している。
Full text available at PubMed Central : http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3849403
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 非ばく露、磁界強度: < 0.1 µT |
集団 2 | ばく露、磁界強度: ≥ 0.1 µT |
集団 3 | グループA、磁界強度: 0.1 - < 0.4µ |
集団 4 | グループB、磁界強度: 0.4 µT - 4.26 µT |
タイプ | 値 |
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合計 | 449 |
評価可能 | 413 |
2か月毎にフォローアップ
全部で562の磁界強度測定値のうち、33.6%は0.05µTより低く、13.3%は0.4µTより高く、4.6%は1.0µTより高かった。中央値は0.099µTであった。
ばく露群では、玄関での平均ばく露に関連した統計的に有意な流産のリスク上昇は認められなかった(RR 1.4、CI 0.6-3.1)。但し、ばく露群では流産のリスクが路地での最大ばく露と有意に関連していることが認められ(RR 2.35、CI 1.18-4.71)、交絡因子の調整後のハザード比は1.72(CI 1.10-2.69)であった。
著者らは、流産のリスクと磁界へのばく露との関連は本研究では確認されなかったが、流産の発生率と路地での最大磁界ばく露との正の関連が認められた、と結論付けた。
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