この研究は、超低周波磁界(ELF MF)への慢性ばく露が成獣ラットの不安レベルおよび空間記憶に及ぼす影響を調べた。成獣ラットをランダムに3群に分けた。対照群と2つのばく露群である。2つのばく露群はそれぞれ、MF(50 Hz、2 mT)への1日1時間ばく露群および4時間ばく露群で、どちらもばく露期間は4週間ある。4週間の毎日ばく露が終了した後、不安関連の行動を、オープンフィールドテストおよび高架式十字迷路で、空間学習および記憶の変化を、モリス水迷路で測定した。その結果、4時間ばく露群のラットにおいて、自発運動性は変化しなかったが、不安様行動は増加を示した;また、モリス水迷路試験では、隠れたプラットフォームの発見に要する時間が短縮し、プラットフォームの以前の場所についての長期記憶が向上したが、短期記憶および運動活動に変化はなかった、と報告している。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 1 h/day or 4 h/day, 7 days/week for 4 weeks |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | pair of Helmholtz coils with a diameter of 80 cm and a separation of 40 cm; rats placed in plastic cages with organic plastic covers in the center of the coil system |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 2 mT | - | 測定値 | - | - |
第3グループ(4時間/日ばく露)のラットでは、変化のない自発運動を伴う不安様の行動が増加した。モリス水迷路試験では、同じグループのラット(4時間/日ばく露)は隠れたプラットフォームを見つけるまでの潜時の短縮、及び、短期記憶及び自発運動の変更を伴わない、プラットフォームの以前の位置についての長期記憶の改善を示した。
著者らは、超低周波磁界への慢性ばく露は、ラットに不安を惹起する作用、及び、空間学習及び空間記憶の長期保持に対する促進作用があると結論付けている。
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