研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[50Hz磁界への急性ばく露はラットの空間記憶固定を障害する] med./bio.

Acute exposure to a 50 Hz magnetic field impairs consolidation of spatial memory in rats

掲載誌: Neurobiol Learn Mem 2007; 88 (4): 387-392

この研究は、水迷路を使ったラット実験で、海馬依存性空間記憶の統合および回復に対する磁界ばく露の影響を評価した。水迷路タスクによる実験は、水中に隠されたプラットホーム(ラットが上がって休める)の空間的位置の非表示バージョンと表示バージョン(視覚的キューを用いる)がある。実験1と2は、非表示バージョンでラットを訓練した後、空間記憶保持試験を48時間後に実施した。実験1では、50 Hz 8 mTへの20分間ばく露を訓練終了直後または記憶保持試験の直前に実施した。実験2では、同じ処置を2 mTの磁界で行った。実験3では、キューの表示バージョンで訓練し、8 mTの20分ばく露を同様のタイミングで実施した。その結果、非表示バージョンでの訓練直後の8 mTばく露は、記憶保持試験の成績を低下させたが、2 mTの場合には影響がなかった;記憶保持試験直前の20分ばく露は、どちらの磁束密度でも影響がなかった;キュー表示バージョンでの訓練の場合、訓練直後の8 mT、20分間ばく露記憶保持試験の成績に影響を与えなかった;これらの知見は、8 mT、50 Hzの磁界への短時間ばく露が空間記憶の統合を損なう可能性があることを示している、と報告している。

研究目的(著者による)

このイン・ビボ研究は、ラットにおける空間記憶の統合に対する磁界ばく露の影響を調べるためにデザインされた。

詳細情報

成獣の雄ラット(3-4月齢、235±15g)を、空間記憶統合の訓練の前または後、及び目印付き水迷路の訓練の後に、20分間ばく露した。円形の水迷路で水没した台座の場所を見つける、空間記憶統合のための8回のセッションラットを訓練した。目印付き課題の訓練では、黒‐白の縞柄のボールを台座に置き、ラットが台座に到達するのに要する時間を記録した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 20 min

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 20 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 2 cm thick coil with an inner diameter of 8 cm, an outer diameterr of 12 cm and 850 turns of 0.75 mm copper wire; rats fixed in cotton pouchs so that the head of the rat was in the center of the coil
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 2 mT - 測定値 - -
磁束密度 8 mT - 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

空間記憶統合の訓練直後の50Hz、8mTの磁界ばく露は、台座がある目標の象限で費やす時間を損ねたが、2mTではそうならなかった。
この結果は、磁界ラットの空間記憶統合に影響力を及ぼすことを示している。

研究の種別:

研究助成

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