この研究は、水迷路を使ったラット実験で、海馬依存性空間記憶の統合および回復に対する磁界ばく露の影響を評価した。水迷路タスクによる実験は、水中に隠されたプラットホーム(ラットが上がって休める)の空間的位置の非表示バージョンと表示バージョン(視覚的キューを用いる)がある。実験1と2は、非表示バージョンでラットを訓練した後、空間記憶保持試験を48時間後に実施した。実験1では、50 Hz 8 mTへの20分間ばく露を訓練終了直後または記憶保持試験の直前に実施した。実験2では、同じ処置を2 mTの磁界で行った。実験3では、キューの表示バージョンで訓練し、8 mTの20分ばく露を同様のタイミングで実施した。その結果、非表示バージョンでの訓練直後の8 mTばく露は、記憶保持試験の成績を低下させたが、2 mTの場合には影響がなかった;記憶保持試験直前の20分ばく露は、どちらの磁束密度でも影響がなかった;キュー表示バージョンでの訓練の場合、訓練直後の8 mT、20分間ばく露は記憶保持試験の成績に影響を与えなかった;これらの知見は、8 mT、50 Hzの磁界への短時間ばく露が空間記憶の統合を損なう可能性があることを示している、と報告している。
成獣の雄ラット(3-4月齢、235±15g)を、空間記憶統合の訓練の前または後、及び目印付き水迷路の訓練の後に、20分間ばく露した。円形の水迷路で水没した台座の場所を見つける、空間記憶統合のための8回のセッションでラットを訓練した。目印付き課題の訓練では、黒‐白の縞柄のボールを台座に置き、ラットが台座に到達するのに要する時間を記録した。
周波数 | 50 Hz |
---|---|
タイプ |
|
波形 |
|
ばく露時間 | continuous for 20 min |
ばく露の発生源/構造 | |
---|---|
ばく露装置の詳細 | 2 cm thick coil with an inner diameter of 8 cm, an outer diameterr of 12 cm and 850 turns of 0.75 mm copper wire; rats fixed in cotton pouchs so that the head of the rat was in the center of the coil |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
空間記憶統合の訓練直後の50Hz、8mTの磁界ばく露は、台座がある目標の象限で費やす時間を損ねたが、2mTではそうならなかった。
この結果は、磁界がラットの空間記憶統合に影響力を及ぼすことを示している。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。