この研究は、毎日、さまざまな持続時間で反復的に受ける超低周波磁界(ELF MF)ばく露が不安レベルに影響を与えるか否かを、ラット実験で調べた。成獣のSDラットに、1時間/日または4時間/日のMFばく露または無ばく露を25日間与えた。不安関連行動の検査は、オープンフィールドテスト(OFT)、高架式十字迷路(EPM)テスト、および明暗箱テストを用いて、それぞればく露の21、23、25日目に行った。その結果、4時間/日のMFばく露は、自発運動を変化させることなく、オープンフィールドテストと高架式十字迷路テストでの不安様行動を増加させたが、明暗箱テストには影響が見られなかった;1時間/日のMFばく露は、どのテストでも影響が見られなかった、と報告している。
30匹の雄ラットを用いた。ばく露の21、23、25日目の朝に行動学的変化を調べた。
5分間の観察中に、オープンフィールド試験、高架十字型迷路、明/暗箱で、ラットの不安関連行動を調べた。オープンフィールドは黒い円環状の領域(直径160cm、高さ50cm)で、床に2つの同心円がある。高架十字型迷路は、2つの向かいあう腕で構成され、中心側が開き、反対側が閉じている。不安を避けるため、ラットはオープンフィールドでは側壁、高架十字型迷路では閉じた腕に留まりがちである。グルーミングは、試験中の新たな環境条件による不安レベルの上昇に対するストレスへの対抗行動と解釈される。明/暗箱は、開口部でつながった2つの同じ大きさの箱で構成される。暗箱内には感知できる照明はない。明箱は白く、100luxのレベルの照明がある。
animals were treated in three groups: i) no exposure ii) exposure for 1 h/day iii) exposure for 4 h/day
4時間/日の磁界ばく露は、オープンフィールド試験及び高架十字型迷路でのラットの不安様行動を増加させた(内側よりも外側の円環で費やす時間の増加、グルーミングの増加、開けた腕及び中心部で費やす時間の減少、閉じた腕で費やす時間の増加)。明/暗箱試験では影響は観察されなかった。更に、1時間/日の磁界ばく露は、いずれの試験でも影響を及ぼさなかった。
これらの知見は、超低周波磁界への慢性ばく露はラットに不安惹起作用を及ぼし、これは毎日のばく露時間に依存し、強い光よりも空間に対してより敏感である、ということを示唆している。
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