この研究は、ラットを用いた実験で、短時間の超低周波磁界ばく露(50 Hz、500 μT、20分間)後に、いくつかの異なる行動試験(高架式十字迷路、新規物体探索、社会的相互作用および縄張り)を実施し、状況的不安および社会的不安、ならびに運動活動パターンを検査した。その結果、実験に用いたばく露磁界パラメータ(労働者に対する公式の参考レベルの限度値に等しい)は、何らかの不快感を引き起こし、行動に影響を与え、受動性と状況的不安を高める可能性示されたが、社会的行動および縄張り行動に対する影響は確認されなかった、と報告している。
電磁界ばく露によって生じるかも知れない非特異的症状(例:目眩、頭痛、胃の痛み、吐き気、等)を調べ、この体調不良の生物学的バックグラウンドの存在を検証または否定するたるための動物モデルシステムを創出すること。
ラット80匹を以下のグループに分けた:1) 高架十字型迷路試験のためのSprague-Dawleyラット20匹(ばく露ラット10匹、対照10匹)、2) 新規物体探求試験のためのSprague-Dawleyラット20匹(ばく露ラット10匹、対照10匹)、3) 社会的相互作用試験のためのWistarラット20匹(連続する5日間で調査)、4) 縄張り意識試験のためのWistarラット(ばく露ラット10匹、対照10匹)
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 20 min |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | pair of Helmholtz coils with an inner diameter of 42 cm, consisting of 240 turns of insulated copper wire; coils 20 cm apart; rats placed in plastic boxes in the center of the coil system |
このデータは、電磁界ばく露は一般的な行動に影響を及ぼし得ることを示している。一般的な行動パターン(高架十字型迷路で推定)と同様に、ラットはばく露終了直後には対照群と比較して、より受動的になるようである。 新規物体探求試験の知見は、馴染みのあるセッティング(ホームケージ)での馴染みのない物体の提示によって探求心を動機付けした場合でも、、ばく露後の受動性が残ることを示唆している。
他方、社会的相互作用または縄張り意識行動のどちらも、電磁界ばく露によって変化しなかった。
著者らは、超低周波電磁界への短期ばく露(20分間)社会的不安を変化させないかも知れない(または、少なくとも適用した試験の範囲ではない)が、状況による不安はある程度増加するかも知れない、と結論付けている。
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