この研究は、SEERプログラム(米国の監視、疫学および最終結果プログラム)で収集されたデータを用いて、米国の脳腫瘍罹患率の時間的傾向を検討した。対数線形モデルにより白人での年次変化率を推定した。その結果、20-29歳群を除き、1992-2006年の傾向は、下向きまたは横ばい状態であった;この20-29歳群では、1992-2006年間に女性では有意な増加傾向が見られ、男性では見られなかった;20-29歳群女性での最近の傾向は、前頭葉腫瘍の罹患率の上昇によって起きたものである;携帯電話の無線周波数放射が高めとなる側頭葉、頭頂葉、小脳の腫瘍に増加が見られないことは明白であった;前頭葉腫瘍の罹患率は20-29歳群男性でも上昇していたが、それは女性よりも早い段階から始まっており、携帯電話使用が大幅に普及する前の段階から始まっていた;全体的には、携帯電話使用が脳腫瘍の原因であるという見方を罹患率データは支持していない、などを報告している。
タイプ | 値 |
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合計 | 38,788 |
米国の人口の約10%を本研究でカバーした
全体として、1990年代初頭以降、脳のがん発生率は減少していた。それ以前の期間の発生率は、診断の改善が原因と考えられる。1992年以降に有意な上昇傾向を示した唯一のサブグループは、20-29歳の女性のグループであった。この上昇は主に、携帯電話による高いばく露を受ける脳の部位ではない、前頭葉腫瘍の増加が原因であろう。
著者らは、この発生率データは、携帯電話が脳のがんを生じるという見解に支持を与えていない、と結論付けた。
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