この研究は、北欧4か国における成人原発性脳内腫瘍発生率の傾向について、その期間に導入された新しい診断手順およびその期間に生じた携帯電話ユーザ増加の影響を分析し、腫瘍発生率の時間的傾向を解釈した。1969〜98年のデンマーク、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンの国立がん登録から、20〜79歳の良性および悪性原発性脳内腫瘍症例に関する情報を入手し、各国の人口登録簿からの情報に基づき、100,000人年あたりの年間年齢標準化発生率を計算し、ポアソン回帰を用いて時間傾向分析を行なった。その結果、すべての脳内腫瘍の全体での発生率は、男性で8.4〜11.8、女性で5.8〜9.3であり、これの対応する平均年間増加率は男性で0.6%(95%信頼区間[CI] = 0.4、0.7)および女性で0.9%(95%CI = 0.7、1.0)であった;発生率の増加は1970年代後半から1980年代初頭に限定され、改良の進んだ診断方法の導入と一致した。この増加は主に最も古い年齢層に限定されていた;1983年以降、携帯電話ユーザが増加する期間では、発生率は男性と女性のどちらでも比較的安定していた、と報告している。
北欧諸国での携帯電話使用は1980年代半ばに始まり、1990年代に急増した。
タイプ | 値 |
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合計 | 43,120 |
1969年から1998年までの期間に、北欧4か国において成人の原発性脳内腫瘍の発生率の増加が認められ、これは1970年代後半から1980年代前半、及び最も高齢のグループに限定された。この増加は、診断手順におけるコンピュータ断層撮影法(CT)の導入及び広範な使用と一致した。1984年以降、携帯電話の導入及び広範な使用後の期間を通じて、全体的な発生率は安定したままである。
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