この研究は、ボランティア実験で、200 µT、60 Hzの超低周波(ELF)磁界(MF)への1時間のばく露がヒトの循環系に及ぼす影響を調べた。微小循環は皮膚血液灌流量測定により評価した。また、心拍(HR)はレーザードップラー流速計で、平均動脈圧は非侵襲的血圧測定システムで監視した。10人の被験者は、カウンターバランス・単純ブラインド化されたデザインで、別の日に実施される2つのセッション(ばく露および擬似ばく露)に参加した。それぞれのセッションは、休憩期間で区切られた一連の4つの観察期間が含まれ、MFの影響の累積性および残効性の評価ができるようにした。その結果、被験者内分散分析では、以前の研究でMFの影響を示唆するかもしれないとされたパラメータのいずれについても、観察期間ごとにみて、セッション間の相互作用は見られなかった(p > 0.05);皮膚血液灌流量、HR、および皮膚表面温度は、実験の時間経過とともに低下した(p < 0.05);以前の研究報告でも同様に見られた、実験時間の経過に伴う灌流とHRの低下傾向は、身体の不活動(体温低下をもたらす)および生理的覚醒低下の組み合わせに関連するようであった、と報告している。
被験者10人が、異なる日に実施した2つの試験セッション(実ばく露及び偽ばく露)からなる本研究に参加した。各セッションには4つの一連の測定ブロック(ばく露前、15分間及び45分間のばく露中、ばく露終了の15分後)が含まれた。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
60 Hz
ばく露時間:
continuous for 1 h except for 2 x 3 min. measurement time
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周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 1 h except for 2 x 3 min. measurement time |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露装置の詳細 | coils with a diamter of 1.6 m, separated by 1.2 m; each coil consisted of 80 turns of AWG10 wire and a water-tubing system connected to a temperature-controlled water pump; volunteer seated in a padded chair in the middle of the coil system wearing ear plugs |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 200 µT | effective value | 測定値 | - | field homogenous at head level |
このデータは、ヒトの循環器系に対する60Hz、200µTの超低周波磁界ばく露の影響を示唆しなかった。
本研究の知見は、先行研究(McNamee他、2010)で1800µTコイルの冷却に用いた水冷装置が室温上昇を生じ、それが皮膚温度の結果に影響を及ぼしたという、先行研究における著者らの仮説を支持している。
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