<目的>この研究は送電線の電解と磁界に曝露されたときの保線作業者の心拍の変化を、現場の電磁界に曝露された時とその前後、更にブラインドで曝露と無曝露の心拍を比較することを目的としている。 <方法>著者らの前の研究(1993)では、心臓の期外収縮や不整脈は電磁界曝露の影響として観察されなかったが、曝露後に心拍が減少する例があったので、この研究では、曝露前後の比較は同一人を比較した。更に本人には知らせずにフィールドとシャムフィールドに曝露するよう計画を改善した。対象者は病気がなく長期の投薬もない平均28歳前後の男性ボランティアで、26名のGroup1は1時間通常環境、さらに1時間400kV送電線下、さらに1時間通常環境に曝露された。この移動時に5分ほど200m歩行があった。15名のGroup2は野外の33kVテストフィールドで本人には知らせずに電磁界のon,offをした。両Group共に同じプロトコルで試験された。400kV線下では3.5-4.3kV/m(av.4.1),1.4-6.6μT(av4.8)の条件、通常環境は0.01kV/m,0.01μTであった。ECGとEEGは歩行法で測定され、ECGにはHolter Recorderを使用、血圧は10分置きに測定された。これらは最初の研究と同一の方法であった。 <結果>部分的に誤りの疑いにあるデータを除き33名の心臓拍動速度を検討した結果、電磁界曝露の期間およびその前後の期間における心臓拍動の変化は観察されず、400kV送電下の電磁界(6kV/m,10μT以下)への曝露は、心臓拍動速度に影響を及ぼさないと結論された。期外収縮、不整脈の頻度に対する影響は認められなかった。
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