著者:
Zhang Y, Li L, Liu X, Ding L, Wu X, Wang J, He M, Hou H, Ruan G, Lai J, Chen C
掲載誌: Front Public Health 2020; 8: 87
この研究は、500 μTの50 Hz磁界ばく露がラットの心臓血管系に及ぼす影響を調べた。48週齢の雄のSprague-Dawleyラットを無作為に擬似ばく露群およびばく露群に割り付けた。20時間/日、24週間の磁界ばく露中、血圧および脈拍数を4週毎に記録した。屠殺前に、心電図、心エコー検査、および心臓カテーテル検査分析を実施し、心臓の機能を評価した。また、ヘマトキシリン‐エオシン(HE)染色、ウェスタンブロット、リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)検査を実施し、心臓のリモデリングの徴候である形態学的および分子構造的な変化を同定した。その結果、心拍数、血圧、脈拍数に対する磁界ばく露の影響は認められなかった。HE染色でも形態学および心筋細胞の配置に変化は認められなかった。更に、心臓の肥大に関連した遺伝子のmRNAおよびタンパク質レベルへの影響もなかった。心エコー検査および心臓カテーテル検査でも、ばく露群と擬似ばく露群の心臓の機能に有意差は認められなかった、と著者らは報告している。