この研究は、ラットが外部の電界(EF)を感知するか否かを調べた。光環境への嫌悪行動に基づき、50 Hz正弦波EF存在下または非存在下で条件づけられた場所嫌悪反応パラダイムを用いて、この2つの自発的行動の変化を調べた。その結果、EFの非存在下で条件付け後、ラットが白い場所で過ごす時間は有意に短縮された;一方、そのような変化はEF存在下で条件付けされたラットでは観察されなかった;したがって、光環境に対する嫌悪反応は、EFへのばく露によって干渉を受けたと考察された;このような影響の要因としては、EF誘発効果を介した明るさの認識の変化、または中枢神経系へのEFの直接的効果を介した学習システムの変化が考えられる;さらに、ラットがEFへのばく露を好ましいと感じる可能性も残っている、と報告している。
22匹のラットを電界ばく露群と偽ばく露群に分けた。2つの区画(一方は白、他方は黒)からなる箱を用いた、条件付きの場所嫌悪応答パラダイムを採用した。6日間の場所嫌悪の条件付けの後、ラットをまず白い区画で電界に毎日ばく露し、ばく露のない黒い区画に置いた。偽ばく露ラットはばく露なしで同様に扱った。条件付け期間後の翌日から、別れていない箱の白い区画で費やす時間を測定した。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 30 min/day on 6 days
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 30 min/day on 6 days |
ばく露の発生源/構造 |
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Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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電界強度 | 16 kV/m | effective value | - | - | - |
6日間の条件付け期間後、偽ばく露ラットは白い区画で費やす時間が有意に少なかった。ばく露ラットも時間は短縮したが、条件付け期間前との差は有意ではなかった。条件付け期間後の両群の比較では、ばく露ラットは偽ばく露群より3倍長い時間を白い区画で費やした。但し、ばく露群の異常値データがこの大きな差を生じたかも知れない(サンプルサイズはn=11と小さかった)。
著者らは、考えられえる説明を2つ示している:電界による影響を通じて、視覚系での明るい色の認識に干渉が生じた。あるいは、ラットは電界を好ましいものと潜在的に感じる。
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