研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[昼間の50Hz、100µT(rms)磁界または明るい光へのばく露はヒトの遂行能力及び精神心理学的パラメータに影響しない] med./bio.

Absence of daytime 50 Hz, 100 microT(rms) magnetic field or bright light exposure effect on human performance and psychophysiological parameters

掲載誌: Bioelectromagnetics 2005; 26 (3): 225-233

この研究は、50 Hz、100 μT(rms)の磁界MFばく露のボランティア実験で、気分の自己評点、心理タスクの遂行成績、および電気生理学的指標への影響が観察されるか否かを調べた。著者らは以前に、同一被験者グループを用いた2つの二重ブラインド化ばく露実験のどちらでも、これらの尺度のいくつかへの影響が見られたことを報告していた。このような影響を結論づける前に、同じパラダイムで別の被験者グループを用いて再現研究を行うことが、今回の研究の目的である。18人の健康被験者は、1週間の間隔で、3つの実験セッション(それぞれ30分間。50 Hz、100 μT(rms)のMFへの連続ばく露擬似ばく露、および明るい光(5000ルクスばく露)を受けた。実験構成は二重ブラインド化、ばく露順序はカウンターバランスされた。その結果、気分の評点、聴き取りタスク中の事象関連電位(ERP)、心理タスクにおける反応時間(RT)、およびその他のタスク遂行成績に関するデータは、擬似ばく露、光ばく露、およびMFばく露条件の間に何らの差も見られなかった;この知見は、実験したELF MFばく露が脳の電気活動または認知機能に影響を与えるという仮説を支持しなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

50Hz磁界へのヒトのばく露の影響についての先行研究(publication 3569)を再現・拡張すること。

詳細情報

同じグループの健康なヒトボランティアにおける心理学的パラメータに対する、100µTの50Hz磁界ばく露の影響を調べるために実施した二重ブラインド調査の結果が、最近の論文に記述されている。

本研究では、別のグループの18人の健康被験者を、1週間隔で実施した各30分間の3つの実験セッションばく露した(セッションは連続的な100µTの50Hz磁界ばく露、偽ばく露、及び陽性対照としての明るい光(5000lux)ばく露で構成)。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 30 min

General information

Subjects were exposed to 3 experimental sessions consisting of 50 Hz magnetic field exposure, sham exposure and bright light (5000 lux) exposure.

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 30 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 Subjects were seated in the exposure facility with their heads placed in the magnetic helmet which produced a magnetic field that was directed from right mandibula to left parietal site of the head.
Additional information The helmet was formed by six Helmholtz coils distributed in three orthogonal directions. During the exposure one vertical and one horizontal pair of coils was energized.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 100 µT effective value 測定値 - -

Reference articles

  • Crasson M et al. (1999): [50 Hz磁界がヒトの遂行能力や精神生理学的パラメータに及ぼす影響:2つの二重ブラインド実験研究]

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露前
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

ばく露、光ばく露磁界ばく露条件で、気分、事象関連電位反応時間、またはその他の測定した遂行能力に差は認められなかった。
本研究のデータは、幾つかの家電製品及び産業用電気機器の極近傍で見られるのと同等の強度の超低周波磁界ばく露が、脳の電気的活動または認知機能に影響するという仮説を支持していない。
本実験の感度は、この比較的低い磁界で影響を検出するには十分ではなかった可能性がある。更なる研究では、より大きなサンプルサイズが必要であろう。

研究の種別:

研究助成

Replicated studies

関連論文