この研究は、50 Hz、100 μT(rms)の磁界(MF)ばく露のボランティア実験で、気分の自己評点、心理タスクの遂行成績、および電気生理学的指標への影響が観察されるか否かを調べた。著者らは以前に、同一被験者グループを用いた2つの二重ブラインド化ばく露実験のどちらでも、これらの尺度のいくつかへの影響が見られたことを報告していた。このような影響を結論づける前に、同じパラダイムで別の被験者グループを用いて再現研究を行うことが、今回の研究の目的である。18人の健康な被験者は、1週間の間隔で、3つの実験セッション(それぞれ30分間。50 Hz、100 μT(rms)のMFへの連続ばく露、擬似ばく露、および明るい光(5000ルクス)ばく露)を受けた。実験構成は二重ブラインド化、ばく露順序はカウンターバランスされた。その結果、気分の評点、聴き取りタスク中の事象関連電位(ERP)、心理タスクにおける反応時間(RT)、およびその他のタスク遂行成績に関するデータは、擬似ばく露、光ばく露、およびMFばく露条件の間に何らの差も見られなかった;この知見は、実験したELF MFばく露が脳の電気活動または認知機能に影響を与えるという仮説を支持しなかった、と報告している。
50Hz磁界へのヒトのばく露の影響についての先行研究(publication 3569)を再現・拡張すること。
同じグループの健康なヒトボランティアにおける心理学的パラメータに対する、100µTの50Hz磁界ばく露の影響を調べるために実施した二重ブラインド調査の結果が、最近の論文に記述されている。
本研究では、別のグループの18人の健康な被験者を、1週間隔で実施した各30分間の3つの実験セッションにばく露した(セッションは連続的な100µTの50Hz磁界ばく露、偽ばく露、及び陽性対照としての明るい光(5000lux)ばく露で構成)。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 30 min
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Subjects were exposed to 3 experimental sessions consisting of 50 Hz magnetic field exposure, sham exposure and bright light (5000 lux) exposure.
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 30 min |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | Subjects were seated in the exposure facility with their heads placed in the magnetic helmet which produced a magnetic field that was directed from right mandibula to left parietal site of the head. |
Additional information | The helmet was formed by six Helmholtz coils distributed in three orthogonal directions. During the exposure one vertical and one horizontal pair of coils was energized. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 100 µT | effective value | 測定値 | - | - |
偽ばく露、光ばく露、磁界ばく露条件で、気分、事象関連電位、反応時間、またはその他の測定した遂行能力に差は認められなかった。
本研究のデータは、幾つかの家電製品及び産業用電気機器の極近傍で見られるのと同等の強度の超低周波磁界ばく露が、脳の電気的活動または認知機能に影響するという仮説を支持していない。
本実験の感度は、この比較的低い磁界で影響を検出するには十分ではなかった可能性がある。更なる研究では、より大きなサンプルサイズが必要であろう。
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