この研究は、50 Hz 磁界(MF)に、白血病のプログレッションを変化させる能力があるか否かを調べる実験を行なった。実験には、移植による急性骨髄性白血病モデルラットを用いた。このモデルはヒトの急性骨髄性白血病と近い関係にあり、また、このタイプの白血病は成人での疫学研究で最も多くの報告がある。白血病細胞移植後、50 Hz MF(100 μT)ばく露を、18時間/日、7日/週で、死亡までの全プログレッション期間中、継続した。生存時間、体重、血液学的パラメータ、血液・骨髄・脾臓・肝臓への白血病細胞の浸潤を測定した。その結果、白血病のプログレッションに関与するパラメータのいずれについても、白血病のMFばく露ラットと無ばく露ラットの間に有意差はなかった、と報告している。
白血病ラットは、ヒト急性骨髄性白血病のモデルとするため、細胞移植でBrown Norwayラットを白血病に感染させた。これは、両方の病気の特徴を密接に関連させるためである。
340匹のラットを以下の4群に分けた:1) 磁界ばく露した白血病ラット103匹、2) 偽ばく露した白血病ラット95匹、3) 磁界ばく露した非白血病ラット74匹、4) 偽ばく露した非白血病ラット68匹。
加えて、73匹のラットの小集団を陽性対照として以下の4群に分けた:5) コバルト-60からの5Gyの放射線に全身照射した白血病ラット53匹、6) 非照射の白血病ラット23匹、7) 照射した非白血病ラット18匹、8) 非照射の非白血病ラット9匹。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
continuous for 18 h/day, 7 days/week over 40 days
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 18 h/day, 7 days/week over 40 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | rectangular Helmholtz coils installed at identical intervals where the cages were settled. |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
Additional information | in sham exposure cages, the magnetic field was 5 nT at night and 35 nT during the day on average. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
---|---|---|---|---|---|
磁束密度 | 100 µT | - | 測定値 | - | - |
全てのラットは、移植による感染後に白血病を生じ、コバルト-60を用いた陽性対照では、非照射群6と比較して照射群5の生存率の有意な低下が示された。このことは、幹線方法が信頼できることを証明しており、このモデルが電離放射線の影響に対して敏感であることを示した。但し、磁界ばく露群と偽ばく露群では、白血病の進行に対する磁界の影響力を示す全てのパラメータに有意差は認められなかった。
著者らは、使用した動物モデルはヒト急性骨髄性白血病についての情報を提供するのに適しているため、今回の結果は、50Hz磁界がヒトでの白血病の進行に影響力を及ぼすという仮説を支持するものではない、と結論付けている。
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