Fischer344雄ラットの大顆粒リンパ球(LGL)白血病動物モデルを用いて、連続的な磁界ばく露が白血病の進行(プログレッション)に影響するかどうかを調べた。過去に、60Hz, 1mT磁界は、白血病ラットの脾臓の細胞を注射した若いオスラットにLGL白血病の進行を大きく変えることはないことを報告した。ここでは、この研究を、以下の目的のための拡張したものである:(a)接種原のLGL細胞数を減らし連続的な60Hz磁界で以前の研究を再現する、(b)間欠的な60Hz磁界ばく露が白血病の進行を変えるかどうかを明らかにすることである。ラットをランダムの4つのグループ(18匹/グループ)に分け、1)1mT継続磁界、2)1mT断続磁界(3分間隔のOn/Off)、3)環境対照(<0.01uT)、4)陽性対照(5Gy全身ばく露)である。すべてのラットには実験開始時に2.2 x 10^6、LGL白血病脾臓細胞を注射した。磁界は1週間7日間、1日20時間で加えた。実験時のばく露磁界には自然環境磁界が重なっている。ラットの体重は毎週測定し、触診して腫瘍の発達程度を調べた。白血病細胞を移植した9-11週間後に脾腫が発達した。血液の評価は、ばく露6,8,10,12,14,16週に行った。末梢血ヘモグロビン濃度、赤血球と細胞量は減少し、全白血球とLGL細胞は、白血病が発症した後に全処理群で顕著に増加した。陽性対照群の体重曲線は異なっており、他の群よりも早く、白血病の症状を示した。環境対照群とばく露群では違いは見られなかった。さらに、ばく露群で脾腫や生存に対して全体的に磁界の影響はなかった。また、磁界ばく露群と環境対照群との間に血液学的パラメータに大きな違いは見られなかった。
LGLラットモデルにおける白血病の進行に対する60Hz磁界ばく露の影響を調査すること。
LGL(大顆粒リンパ球性)白血病モデルは、高齢の白血病ラットからの脾臓細胞を移植することにより、比較的短期間で、若齢の雄ラットに白血病を誘発させるのに利用される。
主な目的は、a) より少ない数(2.2x107個の代わりに2.2x106個)の腹腔内に注射したLGL白血病性脾臓細胞を用いて、先行研究を再現すること、b) 間欠的な60Hz磁界(3分間オン/オフのインターバル)の影響が、連続的な磁界ばく露では消失するかどうかを判定すること、であった。
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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偏波 |
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ばく露時間 | repeated daily exposure, 20h/day, 7days/week for 16 weeks |
ばく露の発生源/構造 | |
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チャンバの詳細 | polyethylen cages |
Additional information | The exposure system consisted of four units with six 1.05 x 3.6 m cage support shelves spaced 30 cm apart. Within each unit, the shelves are arranged vertically into two groups of three, with each group surrounded by coils. Each exposure system had four tiers for holding rat cages with each tier accommodating four polycarbonate modules of six individual rat cages on each side. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | mean | 測定値 | - | - |
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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偏波 |
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ばく露時間 | intermittent, 3 min on/off, 20 h/day, 7days/week for 16 weeks |
Additional information | intermittend (3 min on/off interval) |
ばく露の発生源/構造 |
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測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | mean | 測定値 | - | - |
本研究では合計72匹(18匹ずつ4群に分けた)の動物を用いた。
ばく露群と偽ばく露群で、生存期間または体重に有意差は認められなかった。更に、連続ばく露したラットと間欠ばく露したラットで、血液学的パターンに一貫性のある差は認められなかった。
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