【目的と方法】ホッキングらの論文(1996)が示唆したTVタワーに近い地域での小児白血病発生率上昇についての再検討を加えた論文である。9つの地方行政エリア(LGA)毎の発生率とTVタワーからのRF電磁界強度(RFR)の関連についてポアソン回帰レベルを用いて調べた。その結果、内部エリアの3地方行政エリア(LGA)のうちレーン・コーヴのデータのみが異質性を示してリスク増加に寄与し、同様なばく露レベルである他のLGAではリスク増加が見られなかった。これを分析から除外すれば、TVタワーと小児白血病との関連性は消失することを指摘した。【結論】小児の急性リンパ芽球性白血病(ALL)とTVタワーからのRF電磁界強度(RFR)について報告された見かけ上の相関は、LGAレベルでの分析の結果、弱くなることが示された。備考:Hocking 1999 (Aust NewG J Pub Heal 23 104-105)において、Hockingはこの論文に再反論した。
この研究地域には、先行研究において内側の円と外側の円に分けられていた9の地方政府地域に対し、16の地方政府地域が含まれた。
グループ | 説明 |
---|---|
集団 1 | 全ての地方政府地域 |
集団 2 | レーンコーヴを除く全ての地方政府地域 |
集団 3 | ハンターズヒル及び対岸地域(Hocking他を参照)を除く全ての地方政府地域 |
集団 4 | ハンターズヒル、対岸地域(Hocking他を参照)、レーンコーヴを除く全ての地方政府地域 |
Hocking et al. 1996のデータの再分析では、高ばく露の地方政府地域の一つであるレーンコーヴが、全ての過剰に寄与していた一方、同様のばく露地域では子どもの急性リンパ芽球性白血病の発症率はノース・サウス・ウェールズの比率と同様であることが示された。この過剰は、24時間のTV放送が開始される以前の、1972-1978の期間の最も若いグループで、より明白であった。
著者らは、TV放送設備からの無線周波ばく露が関連している、または小児白血病の発症率を決定するという、人口レベルの証拠は弱い、と結論付けている。
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