【目的】TVタワーからのRF電磁界ばく露された人口集団においてがんの発生率と死亡率の増加があるかどうかを明らかにすること。【研究デザイン】1956年からTVタワーが稼働しているシドニー北部における生態学的調査である。1972-1990年間のがんの発生率と死亡率について比較したのは9の行政エリアのうち、3つのTVタワーを囲む内部エリアと、6つのタワーから遠い外部エリアである。がんの発生率と死亡率、およびTVタワーの周波数、電力、送信期間は、それぞれ連法政府担当当局から入手した。各エリアの高周波放射の電力密度計算値はタワー近くで8.0μW/cm2、半径4kmで0.2μW/cm2、12kmで0.02μW/cm2だった。【結果】外部エリアに比較した内部エリアにおける白血病、脳腫瘍発生率と死亡率の率比は、全ての年齢での白血病発生率で1.24(95%信頼区間 1.09-1.40)、小児の発生率については1.58(1.07-2.34)、死亡率は2.32(1.35-4.01)であった。小児リンパ性白血病(最も一般的なタイプ)の発生率は1.55( 1.00-2.41)で、死亡率は2.74(95% CI 1.42-5.27)であった。脳腫瘍発生率と死亡率の上昇はなかった。【結論】 増加を示した小児白血病発生率および死亡率とTVタワーに近接することとの間に我々は相関を見出した。備考:McKenzie DR 1998 (Aust NZ J Public Health 22 360-367)において、この調査データを見直した結果が報告された。
グループ | 説明 |
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参照集団 1 | 外部地域:TVタワーから≥ 4 kmの距離の自治体;電力密度:< 0.2 µW/cm² |
集団 2 | 内部地域:TVタワーから< 4 kmの距離の自治体;電力密度:< 0.2 - 8.0 µW/cm² |
脳のがんの発生率及び死亡率は上昇しなかった。全ての年齢(RR 1.24、CI 1.09-1.40)及び子ども(RR 1.58、CI 1.07-2.34)について、白血病の発生率の上昇が認められた。小児白血病の死亡率は上昇した(RR 2.32、CI 1.35-4.01)。TVタワーへの住居の近接度と小児白血病の発生率及び死亡率の上昇との関連が認められた。
ばく露は個人についてではなく自治体について評価された。
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