この研究は、居住環境での磁界ばく露に関連した成人の血液学的悪性疾患および脳腫瘍の発生率をコホート研究で調べた。コホート構成員は全て、屋内変圧器室のある建物に住んでいた。磁界ばく露は住戸の位置に基づいて評価した。256372人のうち、変圧器室に隣接した住戸に住む9636人(追跡期間165000人‐年)をばく露群と見なした。磁界ばく露と悪性新生物との関連をCox比例ハザードモデルで調べた。その結果、磁界ばく露が1か月以上でのハザード比(HR)は、大半の血液学的悪性新生物で1未満(いずれかの血液学的悪性新生物について:HR = 0.75、95%信頼区間(CI)= 0.54-1.03)で、ばく露期間の増加に伴い低下した(10年間以上でHR = 0.47、95% CI = 0.22-0.99)。但し、急性リンパ球性白血病(ALL)については、ばく露群の症例数4件に基づきHR = 2.86(95% CI = 1.00-8.15)で、これはばく露期間の増加に伴い上昇し(3年間以上でHR = 3.61、95% CI = 1.05-12.4)、特に子どものばく露に関連していた(ばく露群の症例2件、生後2年間のばく露のHR = 11.5、95% CI = 1.92-68.9)。髄膜腫についてはHR = 0.46(95% CI = 0.19-1.11)で、ばく露期間の増加に伴う証拠は認められなかった。神経膠腫についてはHR = 1.47(95% CI = 0.84-2.57)であった。ELF磁界と成人の血液学的悪性疾患との正の関連についての仮説は、ALLについてのみ支持された。これらの結果は、大半の血液学的悪性新生物についてはリスク上昇よりもリスク低下が示唆された、と著者らは結論付けている。
グループ | 説明 |
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参照集団 1 | apartment located on any other floor than the first or ground floors of the building |
集団 2 | apartment located above the transformer station or sharing a wall with the transformer station |
タイプ | 値 |
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合計 | 203,663 |
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