成人発症白血病の症例対照研究がタイ、バンコクで行われ、疾病の原因としての携帯電話使用と他の要因が調査された。180症例(87の急性骨髄芽球性白血病、40の急性リンパ芽球性白血病、44の慢性骨髄性白血病、8の慢性リンパ性白血病、1つの未分類急性白血病)が、756の年齢、性別を対応させた病院の対照群と比較された。データは聞き取りによって得られた。オッズ比(ORs)は無条件ロジスティック回帰によって求められた。携帯電話使用との明確な関係性は確認されなかったが、使用期間は比較的短く(平均24-26カ月)、いくつかの使用状態(ORs、1.8-3.0、>1.0の低い信頼区間)と、GSMサービスを使用する場合(ORs=2.1、95%信頼区間=1.1-4.0)でリスクが上昇する可能性がみられた。骨髄性白血病(急性と慢性の合計)は、ベンゼン(OR=3.9;95%信頼区間=1.3-11) 、他の一般的な溶剤(OR=2.3;95%信頼区間=1.1-4.9)、詳細不明の職業上使用する殺虫剤(OR=3.8;95%信頼区間=2.1-7.1)、送電線やその周辺での作業(OR=4.3;95%信頼区間=1.3-15)との関係性が見られた。診断用X線、喫煙、他の職業ばく露では関係性が確認されなかった。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 携帯電話使用なし |
集団 2 | 携帯電話使用 |
集団 3 | 携帯電話使用:低リスク |
集団 4 | 携帯電話使用:高リスク |
集団 5 | サービス事業者:GSM |
集団 6 | サービス事業者:その他 |
集団 7 | GSMのみ使用 |
集団 8 | GSMのみ使用:低リスク |
集団 9 | GSMのみ使用:高リスク |
集団 10 | ヘアドライヤーの使用 |
集団 11 | コンピュータの使用 |
集団 12 | コードレス電話の使用 |
集団 13 | 電子レンジの使用 |
集団 14 | その他の電気機器の使用 |
集団 15 | 電力線の近くに居住 |
集団 16 | 電力線で、または電力線の近くで作業 |
症例 | 対照 | |
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適格者 | 170 | 756 |
参加者 | 170 | 756 |
全体として、携帯電話使用と白血病との明確な関連はなかった。特定の使用を実践する人々(グループ4)及びGSMサービスを使用した人々(グループ5)について、リスクが高いかも知れないという示唆があった。家庭用電気製品の使用または電力線の近くでの居住との有意な関連はなかった。急性及び慢性の骨髄性白血病は、電力線での、またはその近くでの作業と有意に関連していたが、これらの結果は少ない数に基づいていた。
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