この研究は、EMFの事前ばく露とそれによるストレスタンパク質hsp70誘導が引き起こす血行動態の変化が、虚血再灌流(I-R)損傷後の心筋機能の改善を引き起こすか否かをSprague-Dawleyラットで実験的に検討した。I-Rの前にラットに30分間のEMF(60 Hz、8 μT)ばく露を与えた。その後、左前下行冠状動脈(LAD)を30分間結紮して虚血を生じさせ、その後30分間再灌流した。血液および心臓組織でのhsp70レベルを、ウエスタンブロットおよびrtPCRによるRNA転写によって測定した。その結果、EMFの事前ばく露に反応したHSP70遺伝子の有意な増加およびhsp70レベル上昇が測定された;容積測定用コンダクタンスカテーテルを使用して侵襲的に測定された血行動態から、EMFばく露後の再灌流の30分後における収縮機能の有意な回復が明らかにされた;さらに、心室拡張機能の尺度である等容性弛緩も、EMF処理されたラットにおいて著しい改善が示された、と報告している。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
60 Hz
ばく露時間:
continuous for 30 min
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周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 30 min |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | 16 cm x 24 cm plastic exposure cage surrounded by Helmholtz coils; coils consisting of 164 turns of 1.5 inches thick 19 gauge copper wire covered with electrical tape |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 8 µT | - | 測定値 | - | - |
電磁界への事前ばく露に対し、HSP70遺伝子の有意な上方制御、及びhsp70レベルの上昇が測定された。血行動態は、電磁界ばく露後の30分間の再灌流後に収縮期収縮機能の有意な回復を示した。電磁界ばく露群では心室拡張機能が顕著に改善された。
非侵襲性の電磁界によるhsp70の誘導は、心筋機能を保護し、虚血性損傷への耐性を改善する潜在能力があるかも知れない。
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