この研究は、先行研究で示唆されている超低周波(ELF)磁界への親の職業的ばく露と小児の神経系腫瘍のリスクとの関連を再評価するため、症例対照研究とコホート研究のメタ分析を実施した。PubMed及びWeb of Scienceデータベース等を検索して関連論文を同定した。固定影響モデル及び無作為影響モデル用いて、サマリのオッズ比(OR)及び95%信頼区間(CI)をプールした。適格な論文22報(症例対照研究が21報、コホート研究が1報)を定量的分析の対象とした。その結果、ELF磁界への親の職業的ばく露は小児の神経系腫瘍のリスク上昇と有意に関連していた(OR = 1.11、95%CI = 1.02-1.21)。この関連は中枢神経系(CNS)腫瘍についての研究では認められた(OR = 1.13、95% CI = 1.02-1.27)が、神経芽腫では認められなかった(OR = 1.02、95% CI = 0.92-1.14)。更に、母親の職業的ばく露についての小児の神経系腫瘍のリスク上昇との有意な関連が認められた(OR = 1.14、95% CI = 1.05-1.23)が、父親の職業ばく露とは認められなかった(OR = 1.05、95% CI = 0.98-1.13)。小児のCNS腫瘍のリスク上昇については、母親の職業的ばく露との有意な関連が認められた(OR = 1.16、95% CI = 1.06-1.26)が、父親の職業ばく露とは認められなかった(OR = 1.15、95% CI = 0.98-1.34)。この結果は、ELF磁界への母親の職業的ばく露と小児のCNS腫瘍のリスク上昇との関連についての限定的な証拠を提示するものであるが、その解釈には注意すべきである、と著者らは結論付けている。
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