[高電圧電磁界に職業的にばく露された作業者のリンパ細胞における細胞遺伝学的変化] med./bio.

Cytogenetic changes in human lymphocytes from workers occupationally exposed to high-voltage electromagnetic fields

掲載誌: Electro Magnetobiol 1993; 12 (1): 17-26

<目的> 電磁界曝露の安全基準の相違があることや生体への作用機構の知識が欠如していることから、その一助としてこの研究に着手した。 <方法> Jordan Electricity authorityのIrbid大規模変電所(132-230kV)の従業員より、15名の男性(平均31.4歳、3-19年勤務、喫煙者5名)を曝露群として、これに対する、対照群を8名の学生と教職員(平均31.6歳、喫煙者3名)を設けた。血液採取は30日おいて2回、それぞれの試料につき2回の培養を行って染色体の分析を行った。質問表により各人の病歴、作業条件などを調査した。 <結果及び結論> (1)対照群と比べて、曝露群の染色体異常の頻度は有意に大きい結果が得られた(曝露群12.83±1.28%に対して対照群7.00±0.6%)。(2)姉妹染色分体交換の頻度は両群で相違は見られなかった(曝露群5.40±0.15%、対照群5.12±0.55%)。(3)さらに細胞増殖係数(CPI)と分裂係数(MI)は曝露群の方が有意に低い結果となった(1.44vs 1.60および1.45 vs 1.79)。(4)喫煙習慣の有無は調査したパラメータとの関連はなかった。著者は、これまでの研究結果と同様、染色体の破損は環境の物理条件の鋭敏な指標となることが示されたとしているが、さらに多数の対象者により確かめることが必要と述べている。

ばく露

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