超低周波(ELF<300Hz)電磁界は、記憶を含むいくつかの神経活動に影響を与える。ELF磁界が、神経組織において、変化したCa2+のホメオスタシスを起こすので、我々は海馬におけるCa2+信号伝達酵素に、これらの磁界の与える影響を調べ、それをNMDA受容体機能と関連付けた。海馬部位は、生後21日のラットを90日間、50H磁界に、50および100μT強度でばく露し、その脳から得た。対照群と比べて、ELF ばく露は細胞内Ca2+レベルの増大を引き起こしたが、それと同時に、Ca2+依存プロテインキナーゼ(PKC)、cAMP依存プロテインキナーゼ、カルシニューリンの活性も増大し、また、海馬部位におけるCa2+-カルモジュリン依存プロテインキナーゼの活性が低下した。同時のリガンド結合を調べることで、N-メチル-D-アスパラギン酸(NMDA)受容体への結合が減少したことが明らかになった。これらの結果を合わせると、ELF ばく露によって混乱した神経機能のなかに、変化したCa2+伝達事象があり、それにより、逸脱したNMDA受容体の活動が生じたのかもしれない。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | 90 days |
ばく露の発生源/構造 | |
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チャンバの詳細 | animal movements were measured with a photoelectric sensor connected to the base of the cage and a digital counter |
ばく露装置の詳細 | two sets of Helmholtz coils with 25 turns each |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
ばく露ラットは対照群と比較して、特に夜間に身体的活動の増加を示した。
超低周波磁界へのばく露は、細胞内Ca2+レベルの上昇と、これに伴うCa2+依存性の酵素活性(プロテインキナーゼC、cAMP依存性タンパク質キナーゼ及びカルシニューリン(タンパク質ホスファターゼ))の上昇、ならびにCa2+-カルモジュリン依存性タンパク質キナーゼの活性の低下を海馬に生じた。加えて、NMDA受容体へのグルタミン酸結合の減少が認められ、この受容体の活性の低下を示した。
本研究の結果は、磁束密度50µTと比較して100µTでより強調された。
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