著者らは、環境電磁界に職業的にさらされている6人での免疫疾患の調査研究を行った。同様の環境でばく露されたマウスに対する同等効果も調べられた。ヒト被験者は、上方に変圧器と高圧線が設置された、0.2~6.6μTの低周波電磁界のある実験室で、5年間にわたり1日8時間作業した。6人の対照被験者(社会経済的状況、性、年齢をマッチングさせ)は、変圧器と高圧線の近接場所から離れて作業した。執筆者は、統計的に有意な、低い総リンパ球、CD4、およびCD3数を見出し、さらに、対照者に比べばく露被験者で、ナチュラルキラー(NK)細胞が著しく増加したことを発見した。ばく露中止後6ヶ月、総リンパ球は増加し、CD4、CD3、およびCD19数も増加した(それぞれ、+13%、+28%、+22%、および+17%)。そして、NK細胞は同じ被験者において26%減少した(有意ではない)。この研究の第2部では、ケージに入れられた12匹のオスのSwissマウスが、ヒト被験者がばく露された(例、5μT、50Hz磁界)同じ部屋で109日間にわたりばく露された;非ばく露の対照群として、12匹のマウスが加えられた。109日間ばく露されたマウスの総リンパ球、白血球、多形核好中球、CD4、NK数は、対照マウスと比べ著しく低かった。さらに、血漿グルコース量(30日で)とアミラーゼ活性(109日で)は著しく低かったが、一方、血漿ナトリウムと塩化物レベルは109日で著しく上昇した。研究結果は、0.2μT~6.6μT磁界への慢性ばく露は、人およびマウス双方において、免疫学的パラメーター(総リンパ球とCD4数)の減少を引き起こし得ることを示唆している。ばく露が終了した時点での、ある数値の増加は、電磁界へのばく露との因果関係を示唆している。ちょうど、マウスにおける変化、特に、総リンパ球とCD4数における変化のように。
13人の被験者を超低周波電磁界にばく露した先行研究(publication 1968)で、著者らはリンパ球、CD4、CD3及びCD2の数の有意な減少、ならびにナチュラルキラー細胞の増加を見出した。
この研究の終了の6か月後、同じ被験者のうち6人について、血液学的及び免疫学的パラメータを再度測定し、結果を前の値と比較した。本研究の第一の狙いは、職業ばく露の停止後の血液学的数値の進展を調べることであった。第二の狙いは、動物に対する電磁界の同様の影響に関する議論に対処することであった(ヒト被験者が109日間ばく露されたのと同じ部屋でマウスをばく露)。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
8 h/day for 5 years
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ばく露2:
50 Hz
ばく露時間:
repeated daily exposure for 109 days
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | 8 h/day for 5 years |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露装置の詳細 | The subjects worked in a laboratory located above the transformers, 13 kV high voltage bus bars and a power generator |
Additional information | The measurements were preformed at 3 h intervals when the transformers were functioning normally. Control subjects worked in the same building as those exposed, doing the same type of work, but located 50 m away from the transformers and high voltage bus bars. |
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | repeated daily exposure for 109 days |
ばく露の発生源/構造 |
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ばく露装置の詳細 | mice were housed in standard plastic cages (4 mice/cage) which were placed directly on the floor in the same laboratory loacted above the transformers and high voltage bus bars. |
Additional information | Control mice were housed in the same standard plastic cages and kept in an animal exposure facility under identical light and temperature conditions. |
ばく露停止の6か月後、全リンパ球数、CD4、CD3、CD19の数は増加した(ぞれぞれ+13%、+28%、+22%、+17%)。同じヒト被験者でナチュラルキラー細胞数は26%減少した(有意ではない)。
ばく露マウスの109日目の全リンパ球、白血球、CD4、ナチュラルキラー細胞の数は、対照群よりも有意に低かった。加えて、血漿グルコースレベル(30日目)及びアミラーゼ活性(109日目)は有意に低く、109日目の血漿ナトリウム及び塩化物レベルは有意に高かった。
本研究からのデータは、0.2-6.6µTの磁界への慢性ばく露は、ヒト及びマウスの両方において、免疫学的パラメータの減少につながり得ることを示唆している。
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