研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study, observational study)

[変圧器から生じる環境中の低周波(50 Hz)電磁界がヒトの自律神経と血液に及ぼす影響の研究] med./bio.

Study of human neurovegetative and hematologic effects of environmental low-frequency (50-Hz) electromagnetic fields produced by transformers

掲載誌: Arch Environ Health 1998; 53 (2): 87-92

この研究は、環境電磁界への職業ばく露があった集団(n = 13)において、自律神経系および血液系の疾患の調査を行った。ばく露集団の対象者は、上方に変圧器および高電圧ケーブルがある構内で、少なくとも、1-5y、8h / d就労した。ばく露磁界レベルは、低周波磁界(50Hz)で0.2μT~6.6μTであった。対照群の対象者は、変圧器および高電圧ケーブルから離れた敷地内で働く人で、社会経済的カテゴリー、性別、年齢をマッチさせた。その結果、ばく露集団は、自律神経系疾患(例えば、身体的疲労、精神的無力症失神、性欲減退、憂鬱、抑うつ傾向および興奮症)の重症度の有意な増加を示した;ばく露集団では、全リンパ球およびCD4、CD3、およびCD2リンパ球有意な低下およびNK細胞の上昇が見られた;白血球減少症および好中球減少症が、1.2-6.6μTに永続的にばく露した2人で観察された;ばく露が止まったときに症状は消失し、再ばく露時に再び現れた、と報告している。

研究目的(著者による)

環境中の電磁界職業ばく露される集団(n=13)において自律神経的及び血液学疾患の調査を実施すること。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 8 h/d for 1-5 yrs
  • 磁束密度: 200 nT minimum (mean daily over 1 wk period)
  • 磁束密度: 6.6 µT maximum (mean daily over 1 wk period)

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 8 h/d for 1-5 yrs
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • high-tension cables, transformers, power generators etc.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 200 nT minimum 計算値 - mean daily over 1 wk period
磁束密度 6.6 µT maximum 計算値 - mean daily over 1 wk period

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露前
  • ばく露中
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

ばく露された集団では、特定の自律神経疾患の度合いが有意に上昇した。加えて、この集団では全リンパ球及びCD4、CD3CD2リンパ球有意な低下、ならびにナチュラルキラー細胞の上昇が認められた。1.2-6.6µTに恒常的にばく露された2人では、白血球減少症及び好中球減少症も見られた。ばく露が停止すると疾患は消失し、再びばく露されると再出現した。

研究の種別:

研究助成

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