この研究は、超低周波磁界(ELF-MF:60Hz、1mTまたは2mT)とストレス因子(電離放射線(IR):0.5 Gyまたは過酸化水素(H2O2):0.05mM)との組み合わせばく露が、非腫瘍形成性ヒト肺上皮細胞L132の遺伝子安定性に与える影響を、細胞分裂周期のG2/M期停止細胞の割合および異数体形成を指標に評価した。その結果、IRまたはH2O2の単独9時間ばく露群で、異数体形成は最も高かったが、subG1期細胞は観察されず、アポトーシスは無かった;ELF-MF単独ばく露群では、G2/M期停止細胞の割合、異数体細胞、subG1期細胞への影響は無かった;IRまたはH2O2にELF-MFを組み合わせた場合、ELF-MFによる影響の増強は観察されなかった、と報告している。
細胞は以下の各群に分けられた:1) 1 mT磁界へのばく露、2) 2 mT磁界へのばく露、3) ばく露の開始時から過酸化水素へのばく露(0.05, 0.1, 0.5 mM)、4) ばく露の開始時からガンマ線へのばく露(0.1, 0.5, 1, 2 Gy)、5) 2 mTの磁界と0.05 mMの過酸化水素の同時の共ばく露、6) 2 mTの磁界と(磁界ばく露の前の)0.5 Gyのガンマ線の共ばく露。それぞれの実験群および試験に対して、別々の擬似ばく露が実施された。
少なくとも4つの独立的な実験において、各試験は3回繰り返し実施された。
gamma radiation was applied as a single dose at the beginning of each exposure time, respectively, at a rate of 5 Gy/min
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 9 hours |
ばく露の発生源/構造 |
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チャンバの詳細 | 60 mm cell culture dishes |
ばく露装置の詳細 | temperature was maintained at 37 ± 0.3°C |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 1 mT | - | - | - | - |
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 9 hours |
ばく露の発生源/構造 |
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Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 2 mT | - | - | - | - |
磁界ばく露細胞(実験群1および2)と擬似ばく露細胞との間に有意差は見られなかった。
実験群 3 (過酸化水素)および 4 (ガンマ線)では、ばく露群と擬似ばく露群の間で、細胞周期分布および異数体に有意な相違が検出された。
磁界ばく露および磁界と過酸化水素の共ばく露(実験群 5)またはガンマ線との共ばく露(実験群 6)は、過酸化水素またはガンマ線単独による影響を増大させなかった。
著者らは、60 Hz磁界ばく露が、ヒト肺上皮細胞の細胞周期分布および異数体に何も影響を与えず、ガンマ線または過酸化水素による影響を増大させなかった、と結論している。
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