この研究は、超低周波電磁界(ELF-EMF)ばく露と女性の乳がん発症リスクとの関連に関する23件の症例対照研究(公表年は1990年から2010年まで)をメタ分析した。品質効果モデルを用いて、研究のデータと品質スコアの関数で総オッズ比(OR)を計算した。さらに、閉経の状況、エストロゲン受容体、ばく露評価ごとにサブグループ分析も行った。その結果、23件すべての研究を含めた場合、ORは1.07で95 %CI = 1.02-1.13であった;エストロゲン受容体陽性サブグループではOR = 1.11で95 %CI = 1.03-1.20であった;閉経前サブグループでは、OR = 1.11で95 %CI = 1.00-1.23であった;他のサブグループにおいては、ELF-EMFと女性の乳がんとの間に有意な関連性が見られなかった;総括すると、ELF-EMFは、特に閉経前およびER陽性の女性の乳がんリスク上昇に関連する可能性があるものの、現在の研究は、特にばく露評価に限界があるため、この問題の検証のためにより良い疫学研究の実施が求められる、と報告している。
以下の23報の研究をメタ分析に含めた:Vena他、1991、Loomis他、1994、Vena他、1994、Coogan他、1996、Li他、1997、Coogan他、1998、Gammon他、1998、Feychting他、1998、Zheng他、2000、McElroy他、2001、Wjingaarden他、2001、Davis他、2002、Kabat他、2003(2つの異なる一連の症例対照研究を含む)、Schoenfeld他、2003、Kliukiene他、2003、Labreche他、2003、London他、2003、Zhu他、2003、Kliukiene他、2004、Forssen他、2000、Forssen他、2005、及び McElroy他、2007。
全体として、超低周波磁界へのばく露と女性の乳がんの発生との関連が認められた(OR 1.07、CI 1.02-1.13)。サブグループの更なる分析は、エストロゲン受容体陽性のサブグループ(OR 1.11, CI 1.03-1.20)及び閉経前のサブグループ(OR 1.11、CI 1.00-1.23)についてのリスク上昇を示した。その他のサブグループの結果は、超低周波磁界と女性の乳がんとの有意な関連を示さなかった。
著者らは、超低周波磁界へのばく露は、特に閉経前及びエストロゲン受容体陽性の女性について、乳がんのリスク上昇と関連しているかもしれない、と結論付けている。
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