この研究は、米国ワシントン州の大シアトル圏において、20〜74歳の女性を対象に、居住環境60 Hz磁界ばく露と乳がんリスク上昇との関連の有無を調査した人口ベースの症例対照研究である。症例は、1992年11月から1995年3月の間に診断された(n = 813)。対照は、ランダムデジットダイアリングで無作為抽出され、5歳階級で症例と頻度マッチさせた(n = 793)。ばく露は、診断時の住宅での磁界測定値、診断前の10年間に居住したすべての住宅のワイヤコード、および家庭電化製品の使用に関する自己申告の3つを用いて推定された。オッズ比および95%信頼区間は、他の潜在的リスク因子を調整した条件付きロジスティック回帰分析法により推定した。その結果、夜間寝室での磁界レベル測定値、診断時の住宅のワイヤコード、診断前の5年間および10年間に居住したすべての住宅の重み付け合計ワイヤコード、またはベッド加温装置を含む一般家庭電化製品使用の申告のいずれとも、乳がんリスク上昇の関係はなかった;この研究で得られたデータは、居住環境磁界ばく露が乳がんの発症リスク上昇と関連するという仮説を支持しない、と報告している。
グループ | 説明 |
---|---|
参照集団 1 | 夜間の平均磁界:< 0.020 µT |
集団 2 | 夜間の平均磁界:0.020 - 0.037 µT |
集団 3 | 夜間の平均磁界:0.037 - 0.073 µT |
集団 4 | 夜間の平均磁界:≥ 0.073 µT |
参照集団 5 | いずれかの測定値が≥ 0.2 µT:いいえ |
集団 6 | いずれかの測定値が≥ 0.2 µT:はい |
参照集団 7 | Wertheimer-Leeperスキーム、現在の住居:非常に低い電流配置(VLCC) |
集団 8 | Wertheimer-Leeperスキーム、現在の住居:地下 |
集団 9 | Wertheimer-Leeperスキーム、現在の住居:一般に低い電流配置(OLCC) |
集団 10 | Wertheimer-Leeperスキーム、現在の住居:一般に高い電流配置(OHCC) |
集団 11 | Wertheimer-Leeperスキーム、現在の住居:非常に高い電流配置(VHCC) |
参照集団 12 | Wertheimer-Leeperスキーム、5年カテゴリー:非常に低い電流配置(VLCC) |
集団 13 | Wertheimer-Leeperスキーム、5年カテゴリー:地下 |
集団 14 | Wertheimer-Leeperスキーム、5年カテゴリー:一般に低い電流配置(OLCC) |
集団 15 | Wertheimer-Leeperスキーム、5年カテゴリー:一般に高い電流配置(OHCC) |
集団 16 | Wertheimer-Leeperスキーム、5年カテゴリー:非常に高い電流配置(VHCC) |
参照集団 17 | Wertheimer-Leeperスキーム、10年カテゴリー:非常に低い電流配置(VLCC) |
集団 18 | Wertheimer-Leeperスキーム、10年カテゴリー:地下 |
集団 19 | Wertheimer-Leeperスキーム、10年カテゴリー:一般に低い電流配置(OLCC) |
集団 20 | Wertheimer-Leeperスキーム、10年カテゴリー:一般に高い電流配置(OHCC) |
集団 21 | Wertheimer-Leeperスキーム、10年カテゴリー:非常に高い電流配置(VHCC) |
参照集団 22 | 全ての家電製品、診断前の10年間:< 0.0062 T |
集団 23 | 全ての家電製品、診断前の10年間:0.0062 - 0.0105 T |
集団 24 | 全ての家電製品、診断前の10年間:0.0105 - 0.0171T |
集団 25 | 全ての家電製品、診断前の10年間:≥ 0.0171 T |
参照集団 26 | ベッド加温装置、使用経験:なし |
集団 27 | ベッド加温装置、使用経験:あり |
参照集団 28 | ベッド加温装置の使用:0時間 |
集団 29 | ベッド加温装置の使用:< 511時間 |
集団 30 | ベッド加温装置の使用:511-1217時間 |
集団 31 | ベッド加温装置の使用:1217-2149時間 |
参照集団 32 | ベッド加温装置の使用:≥ 2149時間 |
症例 | 対照 | |
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適格者 | 1,039 | 1,053 |
参加者 | 813 | 793 |
参加率 | 78 % | 75 % |
90%超の症例及び対照で、平均の夜間磁界レベルは0.16µTであった。
夜間の寝室の磁界の尺度、診断時の住宅のワイヤ・コード配置、あるいは診断前の10年間に住んでいた全ての住宅のワイヤ・コードの荷重サマリ尺度、及び、ベッド加温装置を含む家庭用電気器具の使用についての自己申告に関して、乳がんのリスク上昇は認められなかった。
本研究の結果は、居住環境磁界へのばく露が乳がん発症のリスク上昇と関連しているという仮説を支持していない。
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