研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[低周波電磁界はヒト単球及び免疫細胞株における炎症性遺伝子及びタンパク質の応答を変化させない] med./bio.

Low-frequency electromagnetic fields do not alter responses of inflammatory genes and proteins in human monocytes and immune cell lines

掲載誌: Bioelectromagnetics 2012; 33 (3): 226-237

この研究は、免疫細胞を用いた細胞実験で、低周波電磁界LF EMF)の影響を広範に調べた。微弱であっても生物学的に重要な潜在的影響を明らかにすることを意図して、2つの異なる信号、つまり複雑な複数波形電磁界および50Hz正弦波電磁界を用いてばく露実験を行った。時間経過実験を用いて、ヒト単球白血病細胞株THP-1、初代単球細胞およびマクロファージにおけるサイトカインと他の炎症関連遺伝子の動態を評価した。さらに、THP-1単球サイトカインタンパク質レベルを測定した。その結果、2種類の信号のどちらのばく露も、実験した免疫細胞における遺伝子およびタンパク質発現有意な影響をもたらさなかった;また、非免疫細胞を使用した追加の実験でも、サイトカイン遺伝子発現に対する信号ばく露の影響は見られなかった、と報告している。

研究目的(著者による)

3つの異なる細胞株でのサイトカイン発現に対する、2つの超低周波電磁界(複合的な、連続的に変化する電磁界、及び一般的な50Hz正弦波信号)の影響を調べること。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: continuous for 30 min
ばく露2: 320 Hz–2.6 kHz
ばく露時間: continuous for 30 min

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 30 min
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 coil system consisting of two concentric polymethyl methacrylate cylinders; inner cylinder supports two copper wire solenoid coils, one of these has windings across the whole length, the other on both ends of the cylinder; the outer cylinder supports a third coil with windings on both ends of the cylinder; field deviation in the exposure area ≤ 4%; samples placed in plates with 12 wells in the center of the coil system; exposure system placed inside an incubator at 37°C and 5% CO2
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 5 µT - 測定値 - -

ばく露2

主たる特性
周波数 320 Hz–2.6 kHz
タイプ
  • magnetic field
ばく露時間 continuous for 30 min
Additional information 320 Hz, 730 Hz, 880 Hz, 2600 Hz complex waveform with sharp edges and peaks
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
  • E1と同じ装置
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 5 µT - 測定値 - -

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

このデータは、複合的な複数波形の信号への30分間のばく露、または50Hz正弦波信号への30分間のばく露のいずれも、LPSで刺激した単球マクロファージ細胞株、新規に単離した単球、あるいは咽頭上皮細胞株におけるサイトカイン遺伝子発現またはタンパク質発現に対して変調的な影響を生じないことを示した。ゆえに著者らは、これらのばく露条件が免疫シグナル伝達経路変調させるとは予想していない。

研究の種別:

研究助成

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