研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[超低周波磁界へのばく露はインスリン分泌細胞に影響を及ぼす] med./bio.

Exposure to extremely low frequency magnetic fields affects insulin-secreting cells

掲載誌: Bioelectromagnetics 2008; 29 (2): 118-124

この研究は、膵島のベータ細胞の生存と機能に対する超低周波磁界(ELFMF)の影響を調べた。この目的のため、半生理的範囲でグルコースに対する応答性を持つようなハムスター由来のインスリン分泌細胞株(HIT-T15)を培養した。ELFMFばく露装置(周波数60 Hz、5 mTの正弦波磁界)を用いて、ELFMFばく露または擬似ばく露下で、細胞の生存と機能を評価した。その結果、グルコースの非存在下でのELFMFの5日間ばく露では細胞数が増加した;グルコースの非存在下での2日間ばく露、および100 mg / dlグルコース存在下での5日間ばく露では、培地へのインスリン分泌が増加した;40および100 mg / dlのグルコース存在下での2日間ばく露および5日間ばく露では、HIT-T15細胞の細胞内インスリン濃度が上昇した;ELFMFばく露によるアポトーシス培養条件下での細胞数の増加は、糖尿病治療における新しい治療概念につながる可能性がある、と報告している。

研究目的(著者による)

ベータ細胞の生存及び機能に対する超低周波磁界の影響を評価するため、グルコースへの応答性を示すインスリン分泌細胞株を偽ばく露及び超低周波磁界ばく露条件下で培養し、細胞の生存及び機能を評価した。

詳細情報

糖尿病では、膵臓ランゲルハンス島インスリン分泌成分である、ベータ細胞の質量及び機能の喪失が決定的である。

細胞を40mg/dl及び100mg/dlのグルコース培養した。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 60 Hz
ばく露時間: continuous for 2 days or 5 days

ばく露1

主たる特性
周波数 60 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 continuous for 2 days or 5 days
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 Helmholtz coil inside CO2 incubator, cylindrical exposure space with 20 cm diameter and a height of 14 cm, field vertical
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 5 mT - 測定値 - -

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
調査の時期:
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

5mTの超低周波磁界ばく露ベータ細胞の生存及び機能に影響を及ぼした;グルコースなしでの5mT、5日間ばく露細胞の数を増加させ、グルコースなしでの2日間のばく露、及び100mg/dlのグルコースありでの5日間のばく露は、培地でのインスリン分泌を増加させ、40及び100mg/dlのグルコースありでの2及び5日間のばく露は、HIT-T15細胞の細胞内インスリン濃度を上昇させた。

アポトーシス培養条件下(グルコースなし)での超低周波磁界ばく露による細胞数の増加は、糖尿病治療における新たな治療概念につながり得る。

研究の種別:

研究助成

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