この研究は、ラットを用いた実験で、超低周波磁界(ELF-MF)ばく露が胃の神経内分泌細胞の活動の変化を誘発するか否かを調べた。この際、胃の神経内分泌細胞による周囲の細胞への内分泌または傍分泌作用の関与も考慮に入れた。その結果、ELF-MFへのばく露(ばく露時間は24時間、1週間または2週間;周波数は60 Hz;磁束密度は0.1 mT)は、ラットの胃におけるガストリン、グレリン、およびソマトスタチン陽性の内分泌細胞の分布と出現頻度を変化させた;しかし、内分泌細胞から血液へのこれらのホルモン分泌は、ELF-MFばく露により有意には変化しなかった;擬似ばく露対照群に比べ、1週間および2週間のELF-MFばく露群では、消化管の硫酸バリウム懸濁液の排出速度が上昇したことから、ELF-MFが胃腸の運動性に影響を与えることが示唆された、と報告している。
周波数 | 60 Hz |
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タイプ |
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ばく露時間 | continuous for 1 or 2 weeks |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | 1 m square Helmholtz coils in a wooden frame; winding of 200 turns for each coil split in half for allowing the current to flow in the same sense through each half of the winding (field aiding); coils mounted on a platform; animal cage placed in the center of the coil system |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 0.1 mT | - | 測定値 | - | in the center of the coils |
超低周波磁界ばく露は、ラットの胃におけるガストリン-(増加)、グレリン-(減少)及びソマトスタチン-(減少)陽性の内分泌細胞の分布及び発生率を変化させた。但し、内分泌細胞から血液へのこれらのホルモンの分泌は、ばく露によって有意に変化しなかった。
偽ばく露と比較して、1及び2週間の超低周波磁界ばく露は、消化管のBaSO4suspension propelling ratioの上昇を生じた。これは、超低周波磁界は消化管の運動に影響することを示している。
このデータは、超低周波磁界ばく露が、消化管に固有の制御系の重要な要素である内分泌細胞の活動に影響力を及ぼし得ることを明らかにした。
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