<目的>細胞が非常に高磁束密度の変動磁界にばく露された場合、突然変異が誘導されるかどうかについて検討する。 <方法>50Hz、400mTの条件でばく露する。細胞はヒトのメラノーマ由来MeWoを用いた。ばく露はドーナツシャーレに培養された状態で行われた。HPRT遺伝子の突然変異は6チオグアニン薬剤耐性を指標として検出した。DNA合成阻害はハイドロキシウレアとサイトシンアラビノシドを処理して行った。 <結果>突然変異頻度は磁界のばく露時間に依存して増加したが、約10時間で最大となり、それ以後、顕著な増加はみられなかった。また、この突然変異は磁界による誘導電流に否定的に増大した。X線照射後磁界ばく露を行った場合、この突然変異は相乗的に増加した。磁界ばく露中DNA合成を阻害した場合、突然変異の増大は見られなかった。これらの結果、非常に高磁束密度の変動磁界にばく露された場合、突然変異が誘導されることがわかった。さらに、この突然変異はDNA合成のエラーを引き起こして誘導されることが示唆された。
(英文不記載)
HPRTは、プリン(例:グアニン)合成経路にある酵素の一つである。HPRT陰性細胞はGTP合成にグアニンを用いることができないため、この塩基を新たに合成しなければならない。HPRT陽性細胞は、ヌクレオチド合成の際にグアニンの類似物である6-チオグアニンを用いる。但し、6-チオグアニンの組み込みはDNA及びRNA損傷につながり、これは細胞にとって致命的である。対照的に、HPRT陰性細胞は6-チオグアニンを利用することができず、生き延びる。
HPRT遺伝子突然変異アッセイは、プリン類似物の6-チオグアニンに耐性のあるクローンの選択に基づく、十分に確立された変異原性アッセイである。HPRT遺伝子における6-チオグアニン耐性変異の誘導の決定では、ばく露される細胞を6-チオグアニンを含む媒質で培養する。
超低周波磁界への単独ばく露、及びエックス線(3Gy)との組合せを実施した。
実験を2回反復した。
周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | continuous for 1, 2, 10 and 20 h |
ばく露の発生源/構造 | |
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チャンバの詳細 | The incubator was inserted into the inner space of the core. Magnetic field was homogeneous within 1% difference for the area housing four 10 cm or ten 6 cm culture dishes. |
ばく露装置の詳細 | A pair of magnetic cores (240 x 340 mm) made of silicon steel strips, 40 mm apart . Two copper coils (10 x 20 mm²) penetrate into the silicon steel core. An acrylic Incubator housing the plates was installed into the inner space of the core. |
Additional information | For control experiments, a conventional incubator in a separate room was used. |
超低周波磁界にばく露された細胞では、ばく露時間と誘導電流の強度に依存して、HPRT遺伝子の突然変異の頻度が上昇した。
ガンマ線照射による突然変異は、超低周波磁界への事後のばく露によって強められた。
超低周波磁界へのばく露は細胞死及び細胞成長のいずれにも影響しなかった。
ガンマ線照射による細胞死は超低周波磁界ばく露によって強められなかった。
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