研究のタイプ: 医学/生物学の研究 (experimental study)

[マウスのライディッヒ細胞に対する50 Hz磁界全身ばく露の影響] med./bio.

Effects of whole-body 50-Hz magnetic field exposure on mouse leydig cells

掲載誌: ScientificWorldJournal 2004; 4: 83-90

この研究は、磁界MF)への全身ばく露ライディッヒ細胞のステロイド産生能に及ぼす影響をインビトロ実験で評価した。4つの別個の実験において、雄のCFLPマウスに50 Hz正弦波磁界(100 μT)へのばく露を、ばく露時間23.5時間/日で14日間与えた。ばく露(または擬似ばく露)の終了時に、間質性(ライディッヒ)細胞を睾丸から摘出した。1、10、または100 mIU / mlのヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の存在下または非存在下で、細胞を48時間培養した。黄体形成ホルモンLH)アナログhCGを用いて、擬似ばく露対照群テストステロン(T)応答を確認し、全身MFばく露ライディッヒ細胞のステロイド産生能に及ぼす影響をインビトロで評価した。培地および血液血清テストステロン含有量をラジオイムノアッセイRIA)で測定した。その結果、 MFばく露群から得られた細胞培養でのhCG刺激T応答は擬似ばく露対照群のものと比較して有意に高かった(p <0.01)が、基礎T産生および血清Tレベルは変化しなかった;精巣精巣上体副腎前立腺、および下垂体に、MFばく露に関連した組織病理学的変化は認められなかった;MFばく露は、動物の成長速度および検査した血液学的および血清化学的パラメータに影響しなかった;以上から、今回の知見は、マウスライディッヒ細胞のhCG刺激ステロイド産生反応に対する全身MFばく露のおそらくは直接影響を示す、と報告している。

研究目的(著者による)

マウスの50Hz磁界への全身ばく露によって生じ得る、培養したライディッヒ細胞のイン・ビトロでのステロイドホルモン合成能力に対する影響を評価すること。

詳細情報

4回の再現実験で、10-13匹のマウスを50Hz、100µTの磁界に14日間ばく露及び偽ばく露した。ばく露終了時、全ての動物精巣からライディッヒ細胞を単離し、ヒト柔毛膜性ゴナドトロピン(hCG)の存在または不在化で48時間培養した。
hCGはライディッヒ細胞でのテストステロン産出を促進するもので、ばく露及び偽ばく露サンプルのステロイドホルモン合成能力のチェックに用いた。

影響評価項目

ばく露

ばく露 パラメータ
ばく露1: 50 Hz
ばく露時間: 23.5 h/day for 14 days

ばく露1

主たる特性
周波数 50 Hz
タイプ
  • magnetic field
波形
  • sinusoidal
ばく露時間 23.5 h/day for 14 days
Additional information field vertically oriented
ばく露装置
ばく露の発生源/構造
ばく露装置の詳細 pair of double-wound coils with an inner diameter of 42 cm, embedded in molded epoxy resin, mounted horizontally 32 cm apart, above and below the mouse cage
Sham exposure A sham exposure was conducted.
パラメータ
測定量 種別 Method Mass 備考
磁束密度 100 µT effective value 測定値 - -

Reference articles

ばく露を受けた生物:

方法 影響評価項目/測定パラメータ/方法

研究対象とした生物試料:
研究対象とした臓器系:
調査の時期:
  • ばく露前
  • ばく露後

研究の主なアウトカム(著者による)

ばく露した動物からの細胞培養では、偽ばく露対照と比較して、hCGに刺激されたテストステロン応答が有意に高かった。hCGのない細胞培養では、テストステロンレベルに対するばく露の影響は認められなかった。

血清テストステロンのレベルならびに組織学的分析、血液パラメータ及び体重については、ばく露群と偽ばく露群で差は認められなかった。

著者らは、50Hz磁界への全身ばく露はhCGに刺激されたマウスの培養ライディッヒ細胞のイン・ビトロでのストロイドホルモン合成への影響がある、と結論付けている。

研究の種別:

研究助成

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