この研究は、磁界(MF)への全身ばく露がライディッヒ細胞のステロイド産生能に及ぼす影響をインビトロ実験で評価した。4つの別個の実験において、雄のCFLPマウスに50 Hz正弦波磁界(100 μT)へのばく露を、ばく露時間23.5時間/日で14日間与えた。ばく露(または擬似ばく露)の終了時に、間質性(ライディッヒ)細胞を睾丸から摘出した。1、10、または100 mIU / mlのヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)の存在下または非存在下で、細胞を48時間培養した。黄体形成ホルモン(LH)アナログhCGを用いて、擬似ばく露対照群のテストステロン(T)応答を確認し、全身MFばく露がライディッヒ細胞のステロイド産生能に及ぼす影響をインビトロで評価した。培地および血液血清のテストステロン含有量をラジオイムノアッセイ(RIA)で測定した。その結果、 MFばく露群から得られた細胞培養でのhCG刺激T応答は擬似ばく露対照群のものと比較して有意に高かった(p <0.01)が、基礎T産生および血清Tレベルは変化しなかった;精巣、精巣上体、副腎、前立腺、および下垂体に、MFばく露に関連した組織病理学的変化は認められなかった;MFばく露は、動物の成長速度および検査した血液学的および血清化学的パラメータに影響しなかった;以上から、今回の知見は、マウスライディッヒ細胞のhCG刺激ステロイド産生反応に対する全身MFばく露のおそらくは直接影響を示す、と報告している。
4回の再現実験で、10-13匹のマウスを50Hz、100µTの磁界に14日間ばく露及び偽ばく露した。ばく露終了時、全ての動物の精巣からライディッヒ細胞を単離し、ヒト柔毛膜性ゴナドトロピン(hCG)の存在または不在化で48時間培養した。
hCGはライディッヒ細胞でのテストステロン産出を促進するもので、ばく露及び偽ばく露サンプルのステロイドホルモン合成能力のチェックに用いた。
ばく露 | パラメータ |
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ばく露1:
50 Hz
ばく露時間:
23.5 h/day for 14 days
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周波数 | 50 Hz |
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タイプ |
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波形 |
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ばく露時間 | 23.5 h/day for 14 days |
Additional information | field vertically oriented |
ばく露の発生源/構造 | |
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ばく露装置の詳細 | pair of double-wound coils with an inner diameter of 42 cm, embedded in molded epoxy resin, mounted horizontally 32 cm apart, above and below the mouse cage |
Sham exposure | A sham exposure was conducted. |
測定量 | 値 | 種別 | Method | Mass | 備考 |
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磁束密度 | 100 µT | effective value | 測定値 | - | - |
ばく露した動物からの細胞培養では、偽ばく露対照と比較して、hCGに刺激されたテストステロン応答が有意に高かった。hCGのない細胞培養では、テストステロンレベルに対するばく露の影響は認められなかった。
血清テストステロンのレベルならびに組織学的分析、血液パラメータ及び体重については、ばく露群と偽ばく露群で差は認められなかった。
著者らは、50Hz磁界への全身ばく露はhCGに刺激されたマウスの培養ライディッヒ細胞のイン・ビトロでのストロイドホルモンの合成への影響がある、と結論付けている。
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